研究課題/領域番号 |
23520721
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
近藤 悠介 早稲田大学, オープン教育センター, 助教 (80409739)
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研究分担者 |
中野 美知子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (70148229)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流(台湾) / 言語テスト / 自動採点システム / 英語学習 |
研究概要 |
本研究の研究代表者が平成21年度~22年度に助成を受けて行った研究において構築した英語学習者のための音読自動採点システムでは、システムが送出する評価と教師による評価の一致度がかなりの高いことが検証された。本研究では、この成果を元に音読のみならず、英語学習者の様々な発話を自動的に採点し、総合的な発話能力の評価を送出するシステムを構築し、その評価を行うものである。英語学習者の発話を多面的に捉えるために、本研究では応用言語学の分野で用いられる談話完成タスク(Discourse Completion Task: DCT)を用いて英語学習者の発話能力を評価・測定するテストの開発を試みている。本年度ではそのタスクを作成し、英語学習者のデータを収集した。本研究で作成したタスクはヨーロッパ言語参照枠(Common European Framework of References: CEFR)に基づいて作成された。CEFRを基準として作成された早稲田大学で行われているTutorial Englishの教科書をもとにタスクを作成した。本年度はCEFRのA2レベルを作成し、A2レベルのタスク約100問を利用し、英語学習者の発話データを収取するために使用する専用のウェブサイトを作成した。このウェブサイトを利用し、日本人英語学習者約100人、台湾人英語学習者約30人、10000発話のデータを収集した。このウェブサイトでは、学習者は端末のPCに向かい設定された状況においてどのような英語表現を使用するか考え、その発話を録音する。録音された音声データはサーバに保存される。このウェブサイトを利用して収集した音声データの質を確認したところ、これら技術を利用し、インターネットを介して行う発話自動採点システムが実現できると判断できる質であった。また、CEFRのB1およびB2レベルのDCTを同様に作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度予定していたデータ収集に関して、当初のデータ収集対象者としてタイ人英語学習者を想定していたが、タイ国内のネットワークの状況が悪く収集が困難と判断したため、データ収集対象者を日本人および台湾人英語学習者としたが、予定をはるかに上回る数のデータ提供者からデータを収集することができた。また、上級レベルの問題も作成し、この点に関しては予定よりも早い進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度においては、平成23年度に収集した音声データをすべて書き起こし、Hidden Markov Model Toolkitによる強制アライメントが可能かどうか検討する。小規模な評価実験を行い、発話の特徴量とその評価の関係を検証し、自動採点システム構築のための基礎研究を行う。平成25年度は平成24年度の評価実験の成果をふまえ、自動採点システムを構築する。
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次年度の研究費の使用計画 |
おもに成果発表のための学会出張、データ提供者への謝金、データ整理のための研究補助者への謝金のために使用する。
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