研究課題/領域番号 |
23520729
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研究機関 | 関西国際大学 |
研究代表者 |
有本 純 関西国際大学, 教育学部, 教授 (50132626)
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研究分担者 |
河内山 真理 関西国際大学, 教育学部, 准教授 (50290424)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 外国語教師養成 / 英語発音指導 / 現職研修 / 教職課程 |
研究概要 |
1.事前調査に関する研究発表:「中高教職課程における英語発音指導の扱い -近畿地方のシラバス調-」2011(平成23)年8月8日 外国語教育メディア学会 第51回全国研究大会(名古屋学院大学)2.同上の論文:「中高教職課程における英語発音指導の扱い -近畿地方のシラバス調査-」2012(平成24)年3月31日 『関西国際大学コミュニケーション研究叢書』第10号, pp. 11-233.全国の大学で英語の教職課程を設置する大学(397学部)へのアンケート調査実施: 2011(平成23)年12月~2012(平成24)年1月、2月から集計作業、2012(平成24)年度に研究発表を予定 本科研の事前準備としてまとめた論文「小中学校教員の発音指導に対する意識 ―アンケート調査による考察―」(『外国語教育メディア学会 関西支部研究集録』13, pp. 57-78に掲載)、に加えて上記1・2により、パイロットスタディのまとめを行い、1)中学校の授業で発音指導が積極的に行われていないこと、2)学生時代に履修した教職課程に於いて発音指導を十分に学んだと捉えていない現職教員が多いこと、3)近畿地方で教職課程を設置している大学の英語科教育法シラバス上の記述では、発音に関する項目が他の指導項目と比べて少なくはないこと(170シラバス中、約1/3に記載されている)、しかし、4)指導法に該当する項目の比率が低いこと、の4点が明らかになった。そこで英語科教育法以外の教職専門科目の調査を行う必要性があることが判明し、3の全国規模のアンケート調査を実施(回収率59.6%)し、カリキュラムとシラバスの詳細をまとめる作業を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2011(平成23)年度の計画では、「1)各大学の教職課程の実態調査、カリキュラム体系、シラバスや使用教科書から発音指導の扱いについて調査し、英語科教育法の科目担当者へのインタビューや質問紙調査も実施する。2)予備調査で用いた教員アンケートの修正を行い、規模を拡大して本実施し、合わせてVersantスピーキングテストを用いて教員の発音能力調査も行う」としていた。現在までの達成度としては、1)はほぼ達成しているが、2)に関しては協力者の獲得が十分にできず、予算を残す原因となった。外国語活動を行っている小学校教員、中学校・高等学校の英語教員など、各校種から多くの教員に協力を求め、発音能力の実態を解明し、2011(平成23)年度に達成できなかった部分を完成させる。特に、発音のどの部分に課題があるのかを明らかにすることで、現職教員の発音教育プログラムを構築することを、継続的に実施していく。
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今後の研究の推進方策 |
2012(平成23)年度は、前年度に実施したアンケート調査結果およびシラバス調査結果をまとめ、学会での研究発表、およびシンポジウムでの討論を行いつつ内容を深め、年度末には教職課程における発音指導の位置づけおよび内容の提言をまとめる。教職課程において、発音指導能力を習得する内容が、ほとんど扱われていない実態を考慮し、この能力を付けるためのプログラム開発を、年度末までに行う。この点に関して、教員が必要な発音指導には、以下の3つの要素がある。1)日英語に関する音声の知識、2)自らの英語発音能力を向上させる訓練、3)学習者に指導できる技術の獲得。これらを総合して、本科研では「発音指導力」と呼んでいる。前年度に実施できなかった、教員の発音能力測定を、協力を得て計画・実施する。その結果を分析し、教員の発音矯正プログラム作成の準備とする。また、大学によってはシラバスが公開されておらず、外部からは入手または閲覧できないことがあった。これらについては、再度資料請求を行い、最新のシラバスを入手することで、データを集計し分析する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
2012(平成24)年度は、Verantスピーキングテストを前年度分実施できなかった分と合わせて約100名の協力を得ることを予定しており、試験にかかる費用を支出する。学会での研究発表およびシンポジウムでは、当初の予定と異なり、開催地域がほぼ関西圏内であるため、主として旅費を予定している。調査では近畿圏での聴き取り調査旅費等に、データ入力では引き続き事務補助を雇用する。科研会議を年間8回予定しており主として交通費にあてる。
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