研究課題/領域番号 |
23520729
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研究機関 | 関西国際大学 |
研究代表者 |
有本 純 関西国際大学, 教育学部, 教授 (50132626)
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研究分担者 |
河内山 真理 関西国際大学, 教育学部, 准教授 (50290424)
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キーワード | 英語発音教育 |
研究概要 |
本研究は、英語発音教育の現状を教職課程および現職教員研修の二つの側面から分析し、改善についての提言を行うことを目的としている。その為に、①教職課程に関連するカリキュラムおよびシラバス調査により、教員養成の問題点を探る、②教員研修については、質問紙調査および発音能力調査を行い、現職教員に必要な英語音声に関する要素を探る、その結果として、③英語発音教育の改善についての提言を行うことを計画した。 平成24年度の計画は、①を終了させ、②に着手することであった。①については予定通りに終了し、以下の結果を得た。教職課程を設置している大学(204大学239学部)に対して、カリキュラム調査(教科または教職に関する必修科目のみ)、シラバス調査(1,084科目)を実施した。教員が発音指導をする「発音指導力」には、発音に関する知識、自身の発音能力、導入・矯正指導力法の3つの要素が必要になることを示した。調査の結果、カリキュラム(科目)では3つの要素をまったく含んでいない科目が75.2%、逆にすべてを含む科目は0.2%に留まった。いうれか1つを含む科目は16.4%、2つを含む科目が8.3%であった。シラバスからは、学部別では3要素なしが40.2%、1要素のみ23.7%、2要素で32.0%、3要素すべてが4.1%であった。いずれかの要素を扱っている144学部の内訳では、知識のみ26.4%、知識+能力で43.1%、3要素すべてが6.9%であった。これらの事実から、中高で英語授業で発音指導ができない教師が生み出され、その授業を受けた生徒も発音は得意でない場合が多いという悪循環が発生していることが判明した。これを外国語教育メディア学会第52回全国研究大会で研究発表を行い、同機関誌に論文を投稿し受理された。2013年6月に発刊の予定である。 ②については、着手しているが、協力者を集めている途中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、英語発音教育の現状を教職課程および現職教員研修の二つの側面から分析し、改善についての提言を行うことを目的としている。その為に、①教職課程に関連するカリキュラムおよびシラバス調査により、教員養成の問題点を探る、②教員研修については、質問紙調査および発音能力調査を行い、現職教員に必要な英語音声に関する要素を探る、その結果として、③英語発音教育の改善についての提言を行うことを計画した。 平成24年度の計画は、①を終了させ、②に着手することであった。 ①については、予定通り終了した。 ②については、平成24年度に終了する予定であったが25年度に積み残され、アンケートおよび発音能力調査が進行中である。その理由は、①の結果を出すことに時間を費やした為、②の着手が遅れたことである。
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今後の研究の推進方策 |
②の遅れを本来の計画まで取り戻し、当初の計画である「発音指導法に関するモデルプログラム」の開発を完成させ、教員のための「発音矯正プログラム」の開発も行う。さらに、これを実施し、プログラムの妥当性を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果を学会で研究発表するために、旅費を使用する(札幌)。 発音能力調査において、機械のみならず評価者による評価を依頼する。これに関わる謝金および通信費が発生する。 発音指導に関するプログラム開発においては、音声を記録するメディアなどハードの購入も必要となる。 プログラムの妥当性を検証する為に、ワークショップなどの開催で、会場費等諸経費が発生する。
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