研究課題/領域番号 |
23520735
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研究機関 | 夙川学院短期大学 |
研究代表者 |
古賀 友也 夙川学院短期大学, その他部局等, 准教授 (80321149)
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研究分担者 |
川島 浩勝 長崎外国語大学, 外国語学部, 教授 (60259736)
杉野 直樹 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (30235890)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 早期英語教育 / Can-doリスト / 小学校英語教育 |
研究概要 |
本年度は2010年度にパイロットスタディとして作成し、シンガポールで行われた国際学会CLaSIC 2010において発表した「早期英語教育指導者のCan-doリスト」の再検討から研究を開始した。この先行研究では、国内外の複数の早期英語教育の指導者プログラムやディプロマにおける評価項目を収集、再編成し、日本における小学校英語教育のために必要とされる指導者の様々な能力を選別したリストであった。この項目を精査した結果、小学校で本格的に始動した英語活動に大学等における教員養成カリキュラムがまだまだ追従できていない点やさらなる文部科学省の制度作りの必要性を強く主張した。そして、小学校外国語活動における現実と理想の乖離が如実に表された提言を行った。このCan-doリストに列挙された項目を多く網羅した教員を採用することが求められるという前提であるならば、現段階での各都道府県の小学校教員の採用における受験者(教員候補者)の英語活動の指導能力やクラス運営能力、英語運用能力をどのように測定、判断しているのかという現状把握の必要性と編集したCan-doリストの妥当性検証から、「近年の各都道府県の小学校教員採用試験」を筆記、面接ともに可能な限り収集し、前述の観点から分析した。その結果、一部クラスルームイングリッシュについての設問なども散見されたが、受験者の英語運用能力はほとんどの都道府県において「一般教養」の英語として問われているというこれまでの形式との差異が認められなかった。また面接において、英語活動への言及のあるものもあったが指導方法というよりもクラス運営や態度的な質問が目立っていた。最も多かったものは、小学校学習指導要領における外国語活動の目標などの記述を問うものであった。目標の確認自体は重要であるものの、依然として外国語活動が採用の段階で重要視されていない現状を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題は、「早期英語教育に関わる指導者育成プログラム開発」のプロジェクトにおける一研究課題であり「Can-doリストを利用した自己診断システムを開発」することである。3年間で遂行する3つの課題の内、「課題1:ヒューリスティックスCan-Doリストの項目の選定」はほぼ最終段階であり、「課題2:ヒューリスティックスCan-Doリストの妥当性に関する研究」にも計画とは視点が異なるものの既に着手しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、can-doリストをより精選されたものとするために個々の項目を詳しく分析していく。具体的には母語と目標言語の使用量などに着目してそのヒューリスティックスの分析をまず行う予定である。また、さらなる妥当性の検証と自己診断システムの開発に取り組んでいく。
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次年度の研究費の使用計画 |
一部機器の購入と研究発表のための海外旅費(シンガポール1件、ハワイ1件を予定)などが主なものとなる。
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