研究課題/領域番号 |
23520737
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研究機関 | 函館工業高等専門学校 |
研究代表者 |
奥崎 真理子 函館工業高等専門学校, 一般科目人文系, 教授 (80233451)
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研究分担者 |
森谷 健二 函館工業高等専門学校, 函館工業高等専門学校 生産システム工学科, 准教授 (90342435)
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キーワード | respiratory training / Japanese / shallow and rapid / English / deep and prolonged / listening and reading |
研究概要 |
1点目に、高専3年生120名にPEFR計測と音読試験と行った。学生に呼吸機能の違いが存在するが、呼吸機能と英語の音読速度には相関がないことが分かった。音読指導をする上では意味チャンクの区切りの必然性を統語の知識を踏まえて理解させる指導の必要性がわかった。学生は英語の音読に日本語の発話総流量の配分値を当てはめている可能性が推測された。調息声帯の臨床的見地から、日本人は重心が低い位置にあることを踏まえ、英語音読を指導する時には、のどや胸を「遠隔操作」しなければならないことを意識させる必要性が示唆された。 2点目に、浅く速い呼吸リズムを有する4名の協力学生に対し深く長い呼吸リズムを獲得させるためにヨガと呼吸マスクを用いた呼吸トレーニング実験、リスニング実験とリーディング実験を行い、浅く速い呼吸リズムが深く遅い呼吸リズムに変わると英語の聴解と解読技能が変化するかを検証した。呼吸トレーニングは最大呼気流速度の向上に影響した。被験者Oは肺活量も最大呼気流速度も3名に比べると大きく向上した。呼吸機能が向上したOとMは音声リズムの変化に対応できる呼吸間隔を身につけたことが推察された。呼吸の改善が解読技能に変化を及ぼす可能性を調べるためにリーディング実験を行った。呼吸機能が向上したOは浅く速い呼吸リズムから深く長い呼吸リズムに変わったことで、英語の黙読スピードや意味の区切り方に変化を及ぼした可能性が見受けられた。 3点目に呼吸改善DVDを作成し、その効果の有無を調査するために専攻科2年生29名の協力承諾を得たのち、英語の授業において、呼吸圧測定、DVDを視聴しながら呼吸改善トレーニングを週一回7週間実施した。トレーニング直後には姿勢の改善が観察されたが、呼吸圧データに大きな変化は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度には、予定していた3年生の呼吸計測を120名で年4回実施し、加えて音読試験も行い、新たな知見を得ることができた。 また、研究協力学生を4名得て、呼吸トレーニング実験を行い、呼吸リズムの改善が、英語の聴解と解読に与える影響をデータ化することができた。 英語の授業で実施できる(教室内で座ってできる)呼吸トレーニングDVDを作成し、デモ版を用いて授業実践を行うことができた。 先行研究調査結果を反映させつつ、平成24年度の研究結果と25年の実験データを国内外で発表し、研究内容について国内外の研究者から意見を頂戴し、研究の妥当性を確認できた。 以上のことからおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、実験協力者を得て平成25年度の追試験を行う一方、交付申請書に記載したように、過去3年間に集積したデータを整理し、研究成果を国内外で発表しつつ、先行研究者と結びつきを図り、研究のまとめと研究を発展させる次のテーマを準備する。
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費の使用が予定額を下回ったことにより、次年度使用額が生じた。 その理由は、本研究成果を海外学会で発表(SEFI ベルギー)する際、共同研究者が主体となる別の海外発表と時期が重なり、共同研究者に同行を求めることがかなわなかったことによる。 平成26年度は、時期と場所を勘案し、海外発表1件(シンガポール)と国内発表2件(東京、筑波)のみならず、先行研究調査(海外1件、国内1件)を実施し、旅費を限度内で使用する計画である。
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