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2012 年度 実施状況報告書

諸外国の早期英語教育コアメソッドを収斂した四技能連携型小中英語リエゾン教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23520746
研究機関静岡大学

研究代表者

淺間 正通  静岡大学, 情報学部, 教授 (60262797)

研究分担者 田村 敏広  静岡大学, 情報学部, 講師 (90547001)
山下 巌  順天堂大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70442233)
荒尾 浩子  三重大学, 教育学部, 准教授 (90378282)
キーワードWeb教材 / 語彙習得 / 四技能 / 小中英語リエゾン教材 / ブレンディッドラーニング
研究概要

2012年度は「小学校外国語活動」(以下、便宜上「小学校英語」)が5・6年生を対象に必修化された2年目の年となったことから、当初計画に基づいて、年度前半は、諸課題が渦巻く中で始動した英語活動に関わる問題の洗い出しを行うべく調査を行った。調査に関しては、前年度に研究協力を得た3小学校(A小学校[長崎県]・B小学校[島根県]、C小学校[静岡県])を訪問し、準備したオーラルリサーチ・プロジェクトペーパーへの記載、現場授業の視察、授業後の担当教員に対するヒアリングにより、導入2年目における当該校の状況把握をケーススタディとして行った。その結果、教材の充実度が高まった点により、予想外にスムースに授業が行なわれている実際が伺えることとなった。ただし、スマートボードなど、教材に対応するデジタルメディアなどのインフラ整備にあっては、予算による学校間対応格差も存在する点が明らかとなった。また、ヒアリングを通して、共通する課題も浮き彫りとなった。すなわち、担当教師が英語教育を専門として学んできていない事情から、自ずとマニュアルへの依存度が高まり、生徒の到達目標を最終的にどこに据えるべきかに戸惑いを隠しえないでいる現実が明らかとなった。その後の他校調査においても、「職務の多忙さから英語活動において創意工夫する余地すらない」との声が多々漏れ伝わり、英語活動における現場教師の業務消化的な一面も顕在化することとなった。
そこで、前述した問題点を解消する手立てとして、教師の授業負荷を軽減しながら、同時にWeb媒介で自律的に対話場面とそこで用いられる初歩的な語彙を学習するブレンディッドラーニングシステムの試作開発に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「研究実績の概要」で記した一連の調査結果より、現場教師の間には、小学校英語に対する実用性への付与意識が希薄であることが判明した。そこで、2011年度に調査を行った諸外国の英語教育事例(フィンランド、アイスランド、スウェーデン、韓国、中国、台湾、タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン)の中で、四技能育成の視点から為された指導方法としての特筆すべきアプローチを検証し、わが国への応用の可能性を探った。すなわち、本研究の到達目標となる「四技能連携型小中英語リエゾン教材の開発」を見据え、まずは対話に位置づけられた初歩的な語彙の定着を旨としたWeb学習教材の開発を試みに行った。「書くこと」に依存しない語彙の定着を、調べ学習との連鎖を応用したWeb英語学習教材に位置づけることで(ブレンディッドラーニングシステム)、ややもすると動機付けに終始しがちな小学校英語の実用的な進展を企図した次第である。しかしながら、「聴くこと」「話すこと」の側面に関してはある程度の対応が叶ったものの、「読むこと」の側面においては、小学校英語の位置づけとの関係において、その設定すべきレベルを見極めきれていない現状があり、最終年度の研究課題として着手していきたい。

今後の研究の推進方策

現在、小学校英語現場で重用されている『Hi, Friends!』はメディア対応にも秀でており、英語活動として生徒たちと対峙指導する際の安心感を育んでいる。しかし、過度依存という現実も調査から判明し、英語指導としての小中リエゾンという実用面への意識が希薄となっている。よって試作したWeb英語学習教材(語彙学習版)に対して、四技能との連携を図るコンテンツをさらに盛り込みながら、ブレンディッドラーニングシステムを集大成していく考えである。
たとえば語彙学習にあっては、英語活動において『Hi, Friends!』で対応した単元の語彙定着を見据え、ONLINE上で示されたアルファベットをアナグラムして解を音声とともに得させるといった手法である。ただし、単に解を得させるのではなく問題文に合致しないアナグラムを行った場合には、適宜解へと近づかせるインストラクションをテキストメッセージで表示し、状況においては事典などで調べさせるインストラクションなども表示させる考えである。さらにこういった学習素材と提示方法が諸外国などでは学年進行とともにレベルアップし、ある種のリエゾン教材としての役割を果たしているので、十分にこの点を視野にいれながら教材開発を行っていく考えである。
本年度は最終年度であることから、前述したリエゾン教材の開発に主眼をおく事になるので、適宜現場教師の助言や支援を得ながらフィードバックして開発を進めていく考えである。

次年度の研究費の使用計画

該当なし。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 言語のアスペクト的性質を基盤とした話者の感情表出-日本語の補助動詞「てしまう」と英語のGet受動文を例にー2013

    • 著者名/発表者名
      田村敏広
    • 雑誌名

      静岡大学大学教育センター研究報告

      巻: 第9号 ページ: 1-9

  • [雑誌論文] ソーシャルメディアと動画配信サービスを組み合わせた遠隔授業の実践から―TwitterとUstreamの連携ー2013

    • 著者名/発表者名
      山下巌
    • 雑誌名

      順天堂保健看護研究

      巻: 第2号 ページ: 6-16

  • [雑誌論文] The Teaching of English In Primary Schools in Iceland: Focusing on Brekkuskoli's Unique Programme2012

    • 著者名/発表者名
      Masamichi Asama
    • 雑誌名

      I'NEXUS

      巻: No.5 ページ: 43-46

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 学習指導要領にみる中学校英語科で育むコミュニケーション能力2012

    • 著者名/発表者名
      荒尾浩子
    • 雑誌名

      I'NEXUS

      巻: No.5 ページ: 22-27

  • [学会発表] コミュニケーション能力育成と早期英語教育-諸外国の事例より-2013

    • 著者名/発表者名
      淺間正通
    • 学会等名
      日本英語表現学会
    • 発表場所
      京都聖母女学院短期大学(京都府)
    • 年月日
      20130616-20130616
    • 招待講演
  • [学会発表] 小学校外国語活動における電子辞書の教育利用に関する一考察2012

    • 著者名/発表者名
      淺間正通
    • 学会等名
      異文化情報ネクサス研究会
    • 発表場所
      ノートルダム清心女子大学(岡山県)
    • 年月日
      20120825-20120825

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公開日: 2014-07-24  

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