本研究課題(3か年のプロジェクト)では、平成23年度から小学校において始まった「外国語活動」について、特に特別支援学級での指導上の留意点と教員支援に関する基礎的な研究を行った。背景として、特別支援学級での実践事例が通常学級に比べて極端に少なく、また実践経験者が少ないこと、さらに公開授業という形で発表されることが少なく、どのように実践するか分からないということ、特別支援学級における「英語ノート」の使い方など実践方法については各学校一任になっており指示がなく手探りであること、特別支援において外国語活動をすることの意義が不明瞭であること(保護者・教員の意見)など、特別支援学級における外国語活動には課題が山積しているという現状が課題の発端であり、こうした課題への取り組みは特に有意義なことであったとおもわれる。 本研究では,下記の3つを遂行した。 (初年度)特別支援学級で学ぶ児童への語学教育に関する教育的効果に関する文献調査 (次年度)特別支援教育における外国語活動の授業参観と実態調査(実践提案) (最終年度)教員に対する研修やサポート体制の現状把握とネットワーク構築の基盤形成 これらの結果は、小学校英語教育学会等のジャーナルにすべて採択され、一般に公開されている。また、最終年度には、一般向けのシンポジウムもおこなった。今後の課題として、特別支援学級での外国語活動における評価法について、様々な視点から検討される必要がある。ルーブリックなど質的な方法や心理テストをはじめとした客観的な指標に基づく評価など、多面的なアセスメントに向けた取り組みが必要となろう。
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