相互訪問の第3段階と最終段階が2013年夏に完了した。英語授業担当の日本人教員1名が、日本語教育の現状視察のためタスマニアの小学校で授業参観を行い、振り返り日誌で調査ノートを作成し、日誌の内容を基に面接を受けた。オーストラリア側の小学校教員の高知訪問もあった。この教員は一週間の滞在中に3校の小学校を訪問し、教員訓練に参加し、観察経験とノートに基づく追跡面接を受けた。相互訪問の最終年に参加した両教員は異なる学年と授業状況を観察するよう依頼された。計6回の相互訪問に基づく面接からの全資料は、記録・翻訳・文章化されている。鏡像的文脈での言語教育観察のための、3年間計6回の相互訪問は本研究全体の中核をなす。 2013年11月、主研究者は、授業参観、資料収集、調査用資料配布、日本語教育担当教員との面接のため、オーストラリアの小学校を訪問した。 日本とマニラにおいて、本計画第1、2年次で得られた発見に基づく発表を行った。最初の発表では協力教員の相互訪問での発見の概略を述べ、成果は国際的な人材育成の機会と現職中の訓練がいかに教育実践を高めるかの観点から述べられた。2回目の発表では、日本の学校を訪問した3名のオーストラリア教員と、オーストラリアの学校を訪問した3名の日本人教員による日誌、ノート、及び追跡面接を調査した。参加教員は、鏡像的文脈での観察が言語教育の考え方に与える肯定的影響を認めたが、一方ではうまくいく方法が、他方では実施困難なことへの不満も漏らした。データ比較に基づき、鏡像的なFL文脈の調査から何を得られるかという視点から成果を論じた。 3名のJFL教員の日誌の内容に基づく論文を1編公表した。批評的な観察と、日本の小学校でのEFL教育に対する内省的フィードバックの観点から概略を述べ、鏡像的文脈における言語教育に対する内省を通した教員の学びと新たな自己の位置付けに焦点をあてた。
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