研究概要 |
6歳までのWh疑問文の分析をおこない次の結果を得た。正しい発話として,次の例が見られた。(1)What are you Ving? ,(2) Why did you V?,(3)Why are you Ving?,(4)Where is X?,(5)Where are you going?,(6)Who is X?,主語にyouが使われた発話が多いことは,親が子どもの行動について尋ねている発話がインプット源になって習得に影響を与えたことを示している。また,(4),(6)のisが使われた発話も,親が子どもに質問をした文がインプット源になっていることを示している。 次の誤りが見られた。(7)What did [ ]+ Ving?,(8)Why are you + V?,(9)Why + 肯定文。(7),(8)は,動詞の前までがチャンクとして使われ,動詞の部分は助動詞に対応することなく,独自に貼り合わせていることを示している。3つめの例は,疑問詞Whyをなじんだ肯定文の冒頭につけるという貼り合わせをしていることが伺える。これらは,先行研究(Dabrowska, 2000; Rowland & Pine, 2000; Rowland et al. 2003)と一致した点が多かった。6歳までの関係代名詞を含む発話の分析をおこない,先行研究(Diesel & Tomasello, 2000),が指摘する,usage-basedモデルを反映した以下の結果を得た。(1)主格,目的格,所有格による分類については,先行研究同様に目的格が多かった。(2)「提示型」(This is X +関係詞節)の情報構造の文の出現は,先行研究同様に多かった。(3) 先行研究と異なり,初期の関係詞節のみの発話は少なかった。
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