研究課題/領域番号 |
23520755
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研究機関 | 下関市立大学 |
研究代表者 |
サリバン クリステン 下関市立大学, 経済学部, 講師 (80514132)
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研究分担者 |
コレット ポール 下関市立大学, 経済学部, その他 (30572721)
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キーワード | 外国語教育 / 自己調整学習 / self-regulated learning / 能力記述 / can-do statements |
研究概要 |
本研究は外国語学習における自己調整学習能力を育成するための教材及びアクティビティの開発、また学習者の自己調整学習能力育成を影響すると考えられる要因への調査、の2点を中心に調べている。 平成25年度の主な目的は学習者の自己調整学習能力育成を影響すると提案している「きっかけ」「社会的ディスコース」「共有の理解」をさらに調査し考察することであった。分析が終わっていなかった学生インタビューを全て終え、また教員に対して行ったアンケートの分析を始めた。このデータ結果から自己調整学習におけるcoregulationや社会的要素の働きについて理解が深まり、この研究成果を中心に2件の国内研究発表と1件の国際研究発表を行った。 次の目的は自己調整学習能力を育成するための教材やアクティビティのモデル化及び利用指針の開発であった。このテーマを中心に1件の国内研究発表を行い、論文を1件書き上げた。また、研究結果を取り入れる学習進歩表の更なる改良を行った。 最後の目的は研究成果の発表または研究テーマについて議論するための場を設けるため、「外国語学習における自己調整学習」をテーマにした研究会を開催することであった。研究会は予定通り行い、日本国内から40名ほどの参加者が集まった。研究会の成果をより広く公表するため、電子ジャーナルSiSALの特集号という形で論文集を発表することになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学習者の自己調整学習能力育成を影響すると提案している3つの社会的要素に関する調査について、分析を終え考察が進んでいるものの、成果を全体的にまとめることにはまだ至っていない。また、教員アンケートの分析や関連する文献調査を本格的に始めてみたところ、自己調整学習能力育成における教員の認知が大変重要な要素であることが分かり、このテーマについて教員に対するインタビューやアンケートをさらに行う必要がある。 自己調整学習能力を育成するための教材やアクティビティのモデル化及び利用指針の作成について、部分的に成果を発表しているものの、利用指針を書き上げることにはまだ至っていない。また、学生や教員に対するアンケート及びインタビューのデータ分析からは、自己調整学習能力の評価が重要な課題であり、利用指針を作成する際、絶対に触れなければならない事柄であることが分かったものの、まだこのテーマについて十分に調べていないのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果を全体的にまとめること、また自己調整学習能力を育成するための教材やアクティビティのモデル化及び利用指針の作成が来年度の主な活動内容になる。 これを行うためにはまず自己調整学習能力育成における教員の認知の役割についてさらに調査する必要がある。具体的にはアンケート分析や文献調査を進めると同時に教員とのインタビューを行う予定である。このテーマについて既に2件の国内発表と1件の国際発表が決まっているので、この発表に向けて作業を進める予定である。 自己調整学習能力を育成するための教材やアクティビティのモデル化及び利用指針の作成について、2件の国内発表が決まっているので、その発表を準備すると同時に具体的な利用指針の作成に取り組む予定である。利用指針においては、自己調整学習能力の評価について十分に説明できるようにこのテーマに関する論文を書き上げることを予定している。 最後に平成25年度に開催した研究会の論文集としてSiSALジャーナルの特集号を編集することになったので、その作業にも取り組む予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度にアンケート及びインタビューから得たデータを補うため、学生及び教員とのインタビューを新たに行う予定であったが、以前に行ったアンケート及びインタビューの分析を行うのに思った以上に時間がかかり、新たにインタビューを行うことができなかったため未使用額が生じた。 自己調整学習能力育成における教員の認知の役割を調査するために教員とのインタビューを行う予定であるので、協力して頂ける教員に対する謝金や文字起こし作業のアルバイト代として出費があると予定している。 国内外の発表が複数予定されているが、それに伴う学会参加費などの出費が予定されている。
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