本研究は外国語教育における自己調整学習能力の育成を目的に作成された能力記述を用いる学習ポートフォリオ(学習進歩表)を使用している学生および教員とのインタビューやアンケート分析から、自己調整学習能力の育成を強化する要因および妨げる要因を特定した。自己調整学習は学習者自身が一人で行うことだと考えられがちだが、本研究からは、社会的要素(特に「きっかけの有無」「社会的ディスコース」「共有の理解」)が重要な役割を果たしていることが分かった。これらの要因に配慮したアクティビティや教室における学習進歩表の使い方及び教員の役割、学習開発を目的とした評価理念を取り入れている評価方法などを考案した。
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