研究課題/領域番号 |
23520756
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
長田 恵理 神田外語大学, 児童英語教育研究センター, 講師 (40581690)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 早期英語教育 / 意思決定 / 外国語活動 |
研究概要 |
研究代表者は科学研究費交付前年において、平成22年3月まで勤務していた栃木県大田原市(市内全小学校が教育課程特例校)にある複数の小学校及び大阪府八尾市立上之島小学校における授業観察(パイロットスタディ)を通して事前調査を行っていたが、この結果を精査し、平成23年度は研究対象校を追加選定(私立小学校2校、公立小学校2校)、協力依頼書を作成し、授業観察を行った。授業はビデオあるいはICレコーダーに収録するとともに、授業観察を行い、フィールドノートを作成した。授業後、必要に応じて教師にインタビューを行い、その際の音声も録音した。収集されたデータは学生他の研究補助を採用して書き起こしを進めた。さらには、日本に先駆けて小学校に英語教育を導入して既に10年以上が経過している台湾を訪問、台北市立教育大学附設国民小学の5,6年各1クラス及び新竹国民小学各学年1クラスの授業観察および英語教師・児童のインタビューを行い、台湾の公立小学校における早期英語教育の知見を深めることができた。また、1年を通して国内の英語教育関連学会(小学校英語教育学会、大学英語教育学会、関東甲信越英語教育学会、全国語学教育学会)に参加し、最新の早期英語教育研究について情報収集をしたほか、12月10日神田外語大学児童英語教育研究センター(CTEC)主催「小学校英語教育ワークショップ講演会」において、「ICT教材を用いた指導法」に関するワークショップ講師を務め、ICT教材を使った教師-児童間の相互交渉の方法を提案、江戸川区、浦安市においても教員研修の講師を務めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に行う予定であった授業観察、授業者へのインタビュー、国内学会における情報収集はすべて達成することができた一方で、データの量が当初の予定を上回っていたこと、また、書き起こしのための研究補助員を募るのに時間を要したため、データの書き起こしが完了していない。結果として、概ね順調であるが、唯一、分析の進捗状況については当初の予定通りには運んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に行われた授業観察データは引き続き書き起こしを行い、書き起こされたデータについては談話分析する。また、フィールドノート・授業後の刺激想起法を用いた教師へのインタビューを詳細に検討して必要があれば追加の授業観察とインタビューを行う予定である。データの分析には質的データ分析ソフトを用いてデータの図表化、ひいては理論モデルの構築を試みる。24年度では学会発表を行い、広く意見を求めながら研究を進め、論文執筆を行うほか、9月に行われる神田外語大学児童英語教育研究センター主催小学校英語教育ワークショップ講演会などで研究成果に基づいた外国語活動の指導法を提案していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度に予定していた書きおこしが完了しておらず、また当初の予定よりもデータ量が多かったために予定以上の補助が必要であることから、研究補助の謝金を当該年度の持ち越しからも使用することになる。これに関連して、当該年度に予定していた分析も次年度に詳しく行うため、談話分析のための質的データ分析ソフトを購入する。分析に際し、関連資料として書籍を購入するほか、場合によってはインターネットからのダウンロードによる学術論文購入も必要となり得る。分析を進めていくに従い、更なる授業観察やインタビューの必要性が出てくることが想定されるため、研究協力校への交通費・旅費が必要になる。さらには研究成果を発表し、最新の早期英語教育研究の情報を得るために国内外における学会参加を予定している。
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