研究課題/領域番号 |
23520757
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
尾島 司郎 慶應義塾大学, 社会(科)学研究科, 准教授 (40404959)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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キーワード | 外国語教育 / 早期英語教育 / 脳波 |
研究概要 |
本研究課題は、自然言語に基づき、人工の文法を作り出し、それを健康な子供や大人に学ばせた場合に、学習に伴い、脳の活動やメタ言語意識がどのように変化するのかを研究するというものである。今年度は、5年の研究期間の最初の年度であり、既に実施されている人工文法研究を調査し、どのような人工文法を本研究に用いるのが良いかと言う、文法のデザインの問題について考察した。人工文法を用いた研究は、複数の学問領域に渡って展開されてきており、領域間でそのデザインが大きく異なることが分かった。人工言語の学習には被験者専用のコンピュータなどが必要なので、そういった機材を購入し、実験に備えた。また、本研究課題は人において人工文法の学習に伴う脳活動の変化を計測することが大きな目標なので、その土台となるように、脳波計測実験のパラダイム作りを進めて、一般の被験者から実際に脳波を計測しながら、実験時の刺激提示方法、脳波の取得方法、脳波の解析方法などを洗練していった。さらに、研究課題のもう一つの柱が、メタ言語意識の変化を捉えることなので、メタ言語意識を測るための行動実験の開発、質問紙の開発、などを進めて、実際の一般の被験者より得たデータを分析した。幾つか試したもののなかで、問題なく使えそうなものと、改善の余地があるもの、本研究に目的には使えそうにないものが明らかになった。研究代表者も人工文法研究は初めてであるので、学会やシンポジウムなどを通して、他の研究者と活発に意見を交換し、研究の発展に生かした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
過去の人工言語の研究を綿密に調査すると、当初予想していた以上に多くの種類があり、本研究の目的を果たし、かつ、他の様々な研究者が納得するような人工言語のデザインがどのようなものなのか、なかなか結論に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究に使用する人工言語のデザインの詳細をなるべく早く決定する。脳波やメタ言語意識の計測に関しては今年度で土台が十分出来たので、さらにそれを発展させる。実際に被験者に人工言語の学習をしてもらい、学習経過を脳波により観察することに着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、人工言語の学習実験を実施する。脳波実験・行動実験の被験者謝金、実験補助者のアルバイト謝金、実験やデータ処理に関わる消耗品の購入などが必要になる。
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