研究課題/領域番号 |
23520757
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾島 司郎 東京大学, 総合文化研究科, 特任研究員 (40404959)
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キーワード | 子供の言語獲得 / 人工文法 / 早期英語教育 |
研究概要 |
子供でも取り組める「人工言語」学習タスクを開発した。大人を対象に実施されていた、過去の実験を参考にしながら、以前から子供向けに開発に取り組んだが、子供の認知能力・学習能力を正しく把握できず、なかなか子供なら誰でも無理なく取り組める課題にはならなかった。実際に子供に試しながら、見つかった問題を改善していくサイクルを繰り返した。その結果、どんな子供でも比較的容易に取り組める課題が出来たので、本格的に実験に移行した。実験で被験者は、提示される音声を聞きながら、学習課題に取り組んだ。学習を明示的に要求するのではなく、課題を進めるには、自然に学習に取り組まなければならない状況を作り出した。被験者は子供と、比較の対象として、大学生を選んだ。男女比はだいたい同じになるように配慮した。実験は、一人ずつ防音室の中で行った。小さい部屋に子供を独りで入らせるのは不安を生じる可能性があるので、研究者が付き添った。子供でも数十分から1時間取り組めるように、課題の取り組みに応じて達成感が感じられるゲームのような仕組みを導入した。本実験では数十人の子供が参加したが、おおむねスムーズに実験を行うことが出来た。大学生に対しては、課題が子供向けであることを説明しておくと、特に疑問もなく取り組んでくれた。データが得られた後、その分析を進めた。また、学会やシンポジウムに参加し、研究課題に関して意見交換を行った。過去の人工文法学習研究のレビュー論文を投稿した。研究者の異動に向けて、実験環境の整備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前の年度までに生じていた遅れを取り戻すに至ってない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのデータを分析し、学会発表や論文投稿を行う。行動実験の成果を活かして、脳機能の計測を実施する。研究者の異動があったので、赴任先で研究基盤の整備を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は少額であり、ほとんど予定通りである。 消耗品や書籍などの購入に使用する。
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