研究課題/領域番号 |
23520759
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
佐藤 陽子 法政大学, 経営学部, 准教授 (80523125)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 英語教育 / 短期留学 / スタディ・アブロード / オーラル・コミュニケーション / 異文化コミュニケーション / 第二言語習得 |
研究概要 |
本研究は、英語圏への短期留学が日本人大学生の英語オーラル・コミュニケーション能力に与える影響を多面的に調査し、言語習得に大きく影響を与える、英語学習および異文化コミュニケーションに対する学生の意識の変化も合わせて分析するものである。上記の研究の成果をもとに改善した留学準備コースの有用性を検証する。これらを総合的に考察することにより、効果的な短期留学プログラムと準備コースのあり方を提言する。 当該年度は予備研究を行い、データ収集・分析方法を確立し、その妥当性および信頼性を確認した。また、途中経過を国際学会にて発表した。具体的には、以下のデータが収集、分析された。1、ネイティブ・スピーカー試験官による、留学直前・直後の学生27名のオーラル・コミュニケーション能力評価、2、上記学生による留学直前・直後の自己評価、3、英語学習と異文化理解・コミュニケーションに対する意識、及び留学準備コースの有用性についてのアンケートへの回答。データ分析の主な結果は、次の通りである。ネイティブ・スピーカー試験官の評価によれば、留学後には、学生のオーラル・コミュニケーション能力は、測定した全ての側面で向上した。最も向上したのは発音であった。また、留学前に能力の高かった項目では留学による伸びが少なく、逆に、留学前に能力の低かった項目が向上した。学生へのアンケートの結果、留学により、異文化理解が深まり、英語学習に対する意欲と異文化に対する興味が高まった。これらの結果から、短期留学は、学生の英語オーラル・コミュニケーション能力の向上と、英語学習に対する意欲および異文化に対する興味と理解を促進すると考えられる。この成果は、今後ますます重要性が増すと思われる短期留学を促進するための貴重な資料となることが期待される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は当初の計画通り予備研究を行い、データ収集・分析方法の妥当性および信頼性を確認した。また、途中経過を国際学会にて発表することにより、関連分野の研修者から、研究方法に関するフィード・バックが得られた。これらにより、次年度の本研究のデータ収集・分析方法を確立することが可能になった。
|
今後の研究の推進方策 |
平成23年度の成果をもとに、主データの収集および分析と経過報告を行う。すなわち、平成24年度短期留学生のa)留学前後の英語能力の変化、b)英語学習、異文化コミュニケーション等に対する意識変化、およびc)留学準備コースの有用性についての調査を行う。また、研究の途中経過を国際学会にて発表するとともに、論文執筆を開始する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、主に、研究の途中経過を国際学会にて発表し、関連分野の研究者と意見交換するための学会参加費および出張旅費に使用する予定である。具体的には9月、10月、2月を予定している。
|