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2012 年度 実施状況報告書

アウターサークル英語との接触が日本人の英語学習に与える教育効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23520766
研究機関中京大学

研究代表者

吉川 寛  中京大学, 国際英語学部, 教授 (90301639)

研究分担者 小宮 富子  岡崎女子短期大学, 幼児教育学科, 教授 (40205513)
倉橋 洋子  東海学園大学, 経営学部, 教授 (10082372)
塩澤 正  中部大学, 人文学部, 教授 (10226095)
下内 充  東海学院大学, 人間関係学部, 准教授 (50249215)
キーワードアウターサークル英語
研究概要

平成24年度は二つの研究項目を立てた。第一は「アウターサークル英語の英語教育への導入方法や導入レベルに関する研究」である。これには、全員で定期的(月1回)に研究会を開催し、検討を行った。また、その研究成果の一部に関して2012年9月に愛知で開催された大学英語教育学会第51回国際大会で、吉川が「国際英語論と日本における大学英語教育」のテーマで、また小宮が「社会言語学と英語教育:日本人が英語をまなぶこということ」のテーマでシンポジウム研究発表を行った。加えて、この研究項目に関連して、アウターサークル英語の現状を観察すべく、平成24年8月に吉川がシンガポールに、12月に小宮がインドに出向いてアウターサークル英語の使用状況をリサーチした。
第二の研究項目は「アウターサークル英語に対する日本人英語学習者の一般的認識とOuter Circle英語の接触した日本人学習者の英語認識についての調査」である。これには、約300名の日本人英語学習者を、アウターサークル英語との接触の有無、国際英語関連の知識の有無等を基準にして5グループに分けてアンケート調査を行い、日本人学習者の英語認識に関して重要な調査結果を得ることができた。この調査結果は、2012年12月発行の『JACET中部支部紀要 第10号』に「英語多変種との接触が学習者の英語感に与える影響:Outer Circle英語に焦点を当てて」のタイトルで研究者全員の共著論文として発表した。
アウターサークル英語の言語特徴や異文化理解の研究も第二の研究項目に含まれるが、これには、塩澤が『英語教育9月号』に「英語教師に勧める「異文化理解」に関する本」をテーマとして発表した。また、吉川が平成24年12月発行の『企業・大学はグローバル人材をどう育てるか:国際コミュニケーションマネージメント』で「国際英語としての英語教育」のテーマで発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の大きな研究項目としては「アウターサークル英語の英語教育への導入方法や導入レベルに関する研究」を挙げた。さらに「アウターサークル英語を用いた大学英語教材や補助教材の開発」と「アウターサークル英語に対する日本人英語学習者の一般的認識とOuter Circle英語の接触した日本人学習者の英語認識についての調査」の二つに焦点を当てた。
第一の研究項目に関しては、アウターサークル英語を用いた大学英語教材の開発の参考にするため平成24年8月に吉川がシンガポールに、12月に小宮がインドに出向いてアウターサークル英語の実情を視察した。その視察で、現地の英語話者の言語的特徴やスキル面での多様さを観察することができたことは収穫であった。また、個々の職業によってもかなり英語能力の差があることも確認できた。このことから第一の研究項目に関しては順調に研究が進んでいると考えている。
第二の研究項目に関しては、全員でのアンケート調査を行い、その結果を分析し、多様な日本人英語学習者のアウターサークル英語に対する認識について多くの貴重な知見を得ることが出来た。そしてこの調査結果を学会誌に投稿し採択されたことは大きな研究成果と言える。以上から第二の研究項目に関しても順調に研究が進んでいると考えている。
しかし、国際学会での研究発表を考えていたが、物理的、時間的制約で達成できなかったことは悔やまれる。このことで研究の100%達成は出来なかったが、総体的に見てかなりの程度達成されたと言える。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策は、基本的には平成24年度で得られた研究成果をベースにしての推進を予定している。研究項目としては次の二つの研究に焦点を当てる。「Outer Circle英語との接触が日本人の英語習得やコミュニケーション能力に与える教育効果についての分析結果のまとめ」と「アウターサークル英語を用いた大学英語教材や補助教材の作成」である。前者に関しては、平成25年度が最終研究年次であるので、これまでの2年間で得られた研究成果を基に更なる考察を加えて、Outer Circle英語との接触が日本人の英語習得やコミュニケーション能力に与える教育効果を理論的の証左することを目指す。後者に関しては、これまでの2年間で得られた調査と研究の成果をベースにして具体的にアウターサークル英語を用いた大学英語教材を作成する予定である。
以上のような研究によって得られる成果を様々な機会を通して発表を行う予定である。国内、国外の複数の学界での研究発表だけでなく、学会誌や研究紀要へも研究論文として積極的に発表する予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度未使用金が530,936円出たことは、当初予定していた香港で開催の国際学会での研究発表とトルコイスタンブールで開催の国際学会への参加が物理的、時間的問題で出来なくなったことに起因する。具体的には、学務の発生により学会出席のスケジュールに支障をきたしたことである。それにより次年度の研究費は平成25年度交付金1,100,000円と平成24年度未使用金530,936円を含めて1,630,936円となった。
この使用計画は以下のようである。先ず、「物品費」は予定の450,000円に未使用金200,000円を加えて650,000円を予定している。「旅費」は、予定の580,000円に未使用金320,000円を加えて9000,000円を予定している。「人件費・謝金」は予定の30,000円に40,000円を加えて70,000円を、「その他」は予定の30,000円に未使用金10,936円を加えて40,936円を考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 英語変種との接触が学習者の英語感に与える影響:Outer Circle英語に焦点を当てて2012

    • 著者名/発表者名
      吉川 寛、小宮富子、塩澤 正、倉橋洋子、下内 充
    • 雑誌名

      JACET中部支部紀要

      巻: 第10号 ページ: 55-80

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 英語教師に勧める「異文化理解」に関する本2012

    • 著者名/発表者名
      塩澤 正
    • 雑誌名

      英語教育

      巻: 9月号 ページ: 30-31

  • [学会発表] 国際英語論と日本における大学英語教育

    • 著者名/発表者名
      吉川 寛
    • 学会等名
      大学英語教育学会第51回国際大会
    • 発表場所
      愛知県立大学
  • [学会発表] 社会言語学と英語教育:日本人が英語をまなぶということ

    • 著者名/発表者名
      小宮富子
    • 学会等名
      大学英語教育学会第51回国際大会
    • 発表場所
      愛知県立大学
  • [図書] 企業・大学はグロバル人材をどう育てるか2012

    • 著者名/発表者名
      吉川 寛
    • 総ページ数
      122-130
    • 出版者
      アスク社

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公開日: 2014-07-24  

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