研究課題/領域番号 |
23520770
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
ゴーベル ピーター 京都産業大学, 文化学部, 教授 (40329925)
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キーワード | attribution theory / motivation / ESL / student attitudes / learner psychology |
研究概要 |
今年度は,これまでの日本,タイ,マレーシアでの研究を,より洗練された手法を用いて,再分析した.その結果,現行のアンケートを改善し,これまでより,外国語としての英語学習の成功・失敗に対する学生の原因帰属意識をより反映させることができるようにした.このアンケートにより,台湾の学生の実態をより正確に描き出せると思われる. それに加えて,Canadian Journal,Asian Social Sciencesに,これまでの研究結果に関する論文を発表した.これはマレーシアの都市部と地方部の原因帰属意識の差について論じたものである.具体的には都市部出身者は英語習得の成功について自己に前向きな姿勢が見られるものの,地方出身者は英語習得の失敗を自分に直接結びつける傾向があった.このデータは,台湾以外の地方出身者が対象の多数を占める本研究にとって非常に有益である. そのほか,本研究に関連する研究も実施・発表した.一つは所属教育機関の文化学部で導入したMoodleを使用した多読・多聴プログラムに対する学生の姿勢と取り組みについて,もう一つは学生と教員のデジタル機器の使用とそれらに対する姿勢についてである.これらの研究の成果はGloCALL 2012(北京),EdMedia 2012(デンバー),ICALL,MCUIC(台湾)で口頭発表した.コンピュータやデジタル機器の教室内外での使用はますます増加しており,これらの二つの研究は,本研究の分析に非常に役立つ結果をもたらした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画は多少遅れているが、それは、日本と台湾の大学のスケジュールが異なることにより、第一回目の会議の開催がずれこんだためである。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,日本の学生の対象に行ったアンケートを基に,台湾の研究協力者と共に,台湾の学生対象にアンケートを完成させ実施する. アンケートは二種類準備する.一つは成功の原因帰属意識について,もう一つは失敗の原因帰属意識についてである.アンケートは台湾内の6つの大学で実施し,集められたデータは因子分析を用いて,アンケートを構成する各要因について明らかにし,MANOVAを用いて分析し,グループ内・グループ間での有意な相違点について明らかにする.
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度第一回の会議が開催できなかったために、約7万円が繰り越しとなった。今年度は調査のための台湾への出張と国際学会での発表のための旅費に120,000円,分析に必要なコンピュータやアンケートの印刷,発送に250,000円使用する予定である.
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