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2012 年度 実施状況報告書

観光アセスメントに基づいた英語教育の有効性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520771
研究機関京都光華女子大学

研究代表者

河原 俊昭  京都光華女子大学, 人文学部, 教授 (20204753)

研究分担者 石川 有香  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40341226)
徳地 慎二  宮崎産業経営大学, 経営学部, 准教授 (70197870)
岡戸 浩子  名城大学, 人間学部, 教授 (70352896)
キーワード観光 / 教科書 / 観光アセスメント
研究概要

大学における観光英語教育に対応したカリキュラムを構築することが24年度の目標であった。次のような成果を挙げることができた。
(1)研究した内容を、いくつかの学会で発表して、フィードバックをうけて、理論の修正をおこなった。第51回全国英語教育学会(愛知県立大学)にて、ポスター発表をおこない、観光英語に関するテキストのチェックリストを示して、多くの研究者達から有益なフィードバックをいただいた。全国英語教育学会第38回愛知研究大会にて、「語彙」に関する発表を行い、観光英語で教えるべき語彙の絞り込みをおこなった。さらには、イギリスのLeeds Metropolitan Universityにて、国際語としての英語の重要性について発表した。論文では、「外国人観光客への多言語サービス」、『東アジアの展開と地域交流』思文閣出版 をはじめ、いくつかの論文を発表して、観光英語研究の成果を還元している。
(2)各大学においてどのように観光英語が提示されているか、HPを中心に120以上の大学を調べた。さらに、そこで使われているテキストを購入してその分析をおこなった。判明したことは、観光英語とは、日本人が外国に行き観光するという視点が大多数で、日本に観光に来た外国人へのための観光英語という視点が少ないことであった。
(3)沖縄のいくつかの大学(琉球大学、名桜大学、沖縄観光協会)を訪問して聞き取り調査をおこなった。また、観光のあり方の視察のために、タイ国のチェンマイ市を訪問して、観光産業の実態を視察した。
(4)観光英語を習得するための教材開発のために、今までに開発したテキストを授業で使いながら、学生の反応を見ることで、その改善を図っていった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

各大学での観光英語授業の実態という点を中心に共同研究をおこなっており、具体的には、各大学のシラバスの分析、使用教科書の分析などをおこなった。これは、初年度は、個々の研究者が自分の研究に偏りがちであった点の反省を踏まえ、共同で各大学の観光英語授業の実態を調べることで、互いの研究内容を共有できるようになり、各研究が有機的につながり、体系的な研究へと近づけることができるようになった。
なお、観光地での外国語表示例の収集だが、デジタルカメラなどで丹念におさめており、かなりの量のサンプルがそろってきた。観光英語研究とは、外国人観光客へ適切な観光掲示ができるようになる人材の育成にも繋がるのであり、そのことを見据えた教材開発もかなり進んでいる。全体としては、「おおむね順調に進展している」と判断できよう。

今後の研究の推進方策

今後の研究の方向としては、以下の4点を中心に進めていきたい。
(1)まず、観光アセスメントの理論研究を継続するとともに、本研究の中心となる「観光英語の授業法の開発と教材」に力を注ぐ。観光英語に関する、あるテキスト会社のテキストを執筆したが、それを授業に使うことで、学生からのフィードバックを受けとめ、その修正を絶え間なく進めることで、理論と実践の理想的なむすびつきを追求したい。具体的には、本文の選択、ディクテーションの内容、練習問題の作成などが果たして、実情に合っていたのか検討していきたい。そして、学生の英語力を最大限に伸ばす教材とは何か考えていきたい。
(2)理論構築を進めるために、学会で積極的に発表して厳しい批判にさらされることで、フィードバックを受ける必要性がある。JACET全国大会(京都大学)で研究成果の中間発表を行い、またチェコで行われるLanguage Management Symposiumに参加して、ヨーロッパ諸国における同様な研究の動向を探る予定である。
(3)さらには、九州、関東の観光地への訪問と外国人観光客へのインタビューを行い、関連する資料の収集を行う予定である。観光情報の提供者の目線と観光情報の享受者の目線は当然異なるが、その目線が一致するような観光情報が望ましい。その点に留意して、多くの外国人観光客向けの掲示を分析して、その掲示された英文の文法的な適格性、デザインなどの視点から、外国人観光客にふさわしい掲示(観光情報)であるかなども探っていきたい。
(4)観光系大学を訪問して、授業を参観して、そこからさまざまな知見を取り入れたい。また授業担当者にインタビューして、授業を裏付ける理論的な根拠を確認してみたい。また、その授業をビデオに収めることで、優れた授業実例の蓄積を行い、将来は公開することを考えている。

次年度の研究費の使用計画

物品費として280千円を計上する。様々な場で収集したデータの蓄積をおこない、またHPにて発信していくために、ハードディスクを購入する予定である。また、旅費として400千円を見込んでいる。観光系の大学の授業の視察、観光に関連する学会での発表、観光地の視察などをおこなうで予定である。その他では、220千円を計上する。それは、観光アセスメントの理論構築のために、英語教育、観光英語、観光などの関連図書を購入して、またプリンターインクなどの消耗品の購入を行いたい。なお、次年度は研究の最後の年になるので、研究成果を発表するために、小冊子として編集することを考えている。そのための、印刷代として予定している。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 語連鎖分析による学習者グループ特性の探索―学習者の習熟度と言語的文化的要因の交差―2013

    • 著者名/発表者名
      石川有香
    • 雑誌名

      言語テキストの統計的分析

      巻: 297 ページ: 31-55

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Recurrent Word Clusters Used by Asian Learners ―A Statistical Study of Differences2013

    • 著者名/発表者名
      石川有香
    • 雑誌名

      Learner Corpus Studies in Asia and the World

      巻: 1 ページ: 67-76

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Gender Differences in Request2013

    • 著者名/発表者名
      石川有香
    • 雑誌名

      International Journal of Humanities and Management Sciences 2013

      巻: 1 ページ: 57-62

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 外国人観光客への多言語サービス2012

    • 著者名/発表者名
      河原俊昭
    • 雑誌名

      『東アジアの展開と地域交流』 思文閣出版

      巻: 1 ページ: 51-58

    • 査読あり
  • [学会発表] Developing a Checklist for Language Assessment of Teaching Materials

    • 著者名/発表者名
      河原俊昭、石川有香、岡戸浩子、徳地慎二
    • 学会等名
      JACET 51st International Convention
    • 発表場所
      愛知県立大学
  • [学会発表] Gender Differences in Language

    • 著者名/発表者名
      石川有香
    • 学会等名
      ISAET 2012 International Conference
    • 発表場所
      Thailand
    • 招待講演
  • [学会発表] 大学生英語学習者の個別学習活動を促進する要因の考察

    • 著者名/発表者名
      石川有香
    • 学会等名
      全国英語教育学会第38回
    • 発表場所
      愛知学院大学
  • [学会発表] 話し手要因とテキストの言語特徴の関係

    • 著者名/発表者名
      石川有香
    • 学会等名
      講演会「計量的言語研究の諸相」
    • 発表場所
      北海道大学
  • [学会発表] EUとアジアの英語教育に学ぶ

    • 著者名/発表者名
      河原俊昭
    • 学会等名
      大阪大学大学院言語文学科公開講座
    • 発表場所
      大阪大学
  • [図書] Cross-Cultural Understanding through The Daily Yomiuri2012

    • 著者名/発表者名
      河原俊昭、石川有香、徳地慎二
    • 総ページ数
      96
    • 出版者
      英宝社
  • [図書] 比較教育学事典、日本比較教育学会(編)2012

    • 著者名/発表者名
      岡戸浩子(分担執筆)
    • 総ページ数
      456
    • 出版者
      東信堂

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公開日: 2014-07-24  

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