研究課題/領域番号 |
23520774
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
桐村 亮 立命館大学, 経済学部, 准教授 (40584090)
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研究分担者 |
吉村 征洋 梅光学院大学, 国際言語文化学部, 講師 (90524471)
廣森 友人 立命館大学, 経営学部, 准教授 (30448378)
清水 裕子 立命館大学, 経済学部, 教授 (60216108)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 外国語教育 |
研究概要 |
本研究の目的は、学部や専攻への適応度が低く、目的意識を持ちにくい経済・経営系学部生を対象に、ESP的アプローチに基づく英語プログラムの開発を試みることにある。初年度である平成23年度は、学生の実態を知る予備調査として、経済学部1回生164名を対象に、学部への帰属意識に関する質問紙調査を実施した。この分析結果をもとに、質問紙項目および調査方法に改善を加え、24年度に再度調査を行い、学生の英語ニーズや学習ニーズへの意識について実態把握を目指す。上の調査と並行して、英語圏の経済・経営系学部で使用される専門分野教科書とシラバスの収集・分析から、大学生が専門科目を学習する上で必要となるタスクと学習目的について整理した。その一部を記述式の学習課題として「英語経済学入門」の授業において受講生に取り組ませた。学生の取り組み状況からは、学習内容そのものの理解とは別に、英語での質問に対して、その意図を理解して上で適切に回答していないケースが際立って認められた。経済学を学ぶ上では、教科書で学んだ内容を身近な実例に当てはめたり、ある具体的な想定のもとで議論を展開したり、といった、英語でのコミュニケーションとして少し高度な学習課題には学生が苦戦する結果が見られた。特に理解したものの整理・分析・応用等を必要とする質問に注目し、これを学生に経験させるような教材・シラバス作成へとつなげたい。ここまでの調査状況は、平成24年1月ハワイ開催の教育関連学会において、タイトル"Sense of Belonging of University Students Majoring in Economics"と同"Language Needs of Japanese Students Studying Economics"として、二本のポスター発表を行い、参加者との意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記研究実績の概要にまとめたような進展があるが、当初予定していた暫定版ESP準拠型学習目的リストはまだ完成していない。そのための基礎資料の収集・整理は進んでいるので、まずリストの作成を分担者との議論の上行う。それをもとに24年度計画通り、シラバス、教材の作成を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
収集資料および調査の分析を通じて、経済・経営学部生の英語学習目的リストの作成を急ぐ。研究分担者の所属変更(23年度1名、24年度1名)があり、全体的な打ち合わせを行うことがより困難になっているが、電話を含め連絡をより頻繁に取りながら、連携してリストの精緻化、シラバス、教材の作成にあたる。また成果を授業で実践する予定であるため、どの授業を対象にしてどのような規模で行うかを早めに検討し、準備を行いたい。英語教育分野においてESPへの関心が高まっている中、大学英語教育学会をはじめ関連する各学会・研究会で、ESP的視点を根本に据えている本研究の経過報告を行うことで、意見交換を行い、より多くの知見を得たい。
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次年度の研究費の使用計画 |
経済学・経営学の専門科目教育における学習目的やタスクの詳細調査に向け、最新の教科書、専門書、シラバスの収集を行うため、引き続き資料費を必要とする。学生対象に、より大規模な質問紙調査を実施するための専用マークシートおよびスキャナーの購入を予定している。研究の中間報告として、ESP in Asia等の国際学会での発表および専門家との交流を検討しており、計画通りの海外旅費を必要とする。
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