研究課題/領域番号 |
23520774
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
桐村 亮 立命館大学, 経済学部, 准教授 (40584090)
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研究分担者 |
吉村 征洋 梅光学院大学, 国際言語文化学部, 講師 (90524471)
廣森 友人 明治大学, 国際日本学部, 准教授 (30448378)
清水 裕子 立命館大学, 経済学部, 教授 (60216108)
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キーワード | 外国語教育 |
研究概要 |
本研究の目的は、学部や専攻への適応度が低く、目的意識を持ちにくい経済・経営系学部生を対象に、ESP的アプローチに基づく英語プログラムの開発を試みることにある。初年度に経済学部一回生を対象に実施した質問紙調査からは、経済学部への帰属意識と、英語や海外留学への関心において、興味深い相関の可能性が見られた。これを踏まえ、学生の帰属意識と、英語学習ニーズの実態把握をより正確に行うため、質問項目、調査方法の改善を議論した。 また、研究代表者が授業を担当する科目「英語経済学入門」は、経済学部で学ぶ上で英語が持つ意味を学生が強く意識する重要な科目となる。この科目では、学生がこれまでの英語学習での経験とは異なるタスクへの取り組みが求められ、学生はこれに英語で苦戦している。海外大学で使用される様々な経済学教科書やシラバスを分析した結果からも、こうしたタスクの遂行は、学生が経済学を修める上で重要であることは確認された。一方、学生へのアンケートからは、「日本語で学ぶよりも英語で学ぶ方が経済学は分かりやすい」等、興味深い感想も得られている。平成25年度も引き続き学生のタスク取り組み状況と質問紙調査を実施し、ESP(English for Specific Purposes)アプローチの見地から、より経済学部生のニーズに沿った英語プログラムの開発に向け、議論を深めていく。 平成24年度は、成果報告の一つとして、12月にシンガポール国立大学で開催の言語学系学会CLaSIC2012において、タイトル"Bridging the Gap between the GAP between General English Instruction and Specific Language Needs of Economics Students in Japan"としてポスター発表を行い、プロシーディングを投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
質問紙調査からは学生の実態として興味深い結果が得られそうであり、改善した上での再調査が必要である。この準備と分析、調査の改善検討には想定以上に時間を要している。これを受けて、当初予定していた暫定版ESP準拠型学習目的リストの作成とシラバス、教材作成に向けて、調査実施とその分析に注力する。
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今後の研究の推進方策 |
質問紙調査は、研究分担者の所属変更後、担当する学部が当初予定していた経済・経営学部とは異なっており、対象となる学生への協力依頼が難しくなっている。これに対して、調査対象をいかに拡大していくか、分担者間で検討、分担者以外への協力依頼も予定している。また、結果をより相対的に分析できるよう、学科や学年の違いをどのように考慮するか至急検討する。今後に向けては、卒業生へ調査配布も企画する。上述した「英語経済学入門」は、英語教員と経済学専門教員が同じ科目を担当する科目であり、担当教員間で頻繁にミーティングを行うことにより、英語教員とは異なる専門家の知見を得ながら、教授法や学生の実態把握をより多角的に行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
引き続き、経済学・経営学の専門科目教育における学習目的、言語との関連、帰属意識との関連についての動向を調査、分析するため、最新の教科書、専門書、シラバスの大規模収集を行う。6-7月に学生対象の大規模な質問紙調査を予定しており、専用マークシートの大量購入を行う。また、これまでの成果報告として、平成26年3月米国ポートランドで行われるAmerican Association for Applied Linguistics(AAAL)等での口頭発表を予定しており、 計画通りの海外旅費を必要とする。
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