研究課題/領域番号 |
23520783
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研究機関 | 中国短期大学 |
研究代表者 |
竹野 純一郎 中国短期大学, 英語コミュニケーション学科, 講師 (20585765)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 英語のリスニング / 認知プロセス / リピーティング / シャドーイング / 逐次通訳 / 音声生成 / 発話速度 / ポーズ |
研究概要 |
本研究の目的は、英語音声の生成・認識のメカニズムを解明し、音声の復唱・保持能力、さらには音声を瞬時に意味解釈することが聴解に不可欠であることを明らかすることである。初年度である平成23年度は、話しことばの生成のメカニズムについて調査した。調査内容は以下の通りである。 音声データを用いて、一気に発せられる英語の音声配列の長さ(時間・音節数)、息継ぎの長さ(時間)・頻度(回数)を記録した。音声データのカテゴリーとしては、あらかじめ計画されていない内容を話すインタビューから素材を集めた。音声データ素材のwords per minute(wpm), syllables per minute (spm), syllables per word (spw)、そして、息継ぎ(ポーズ)の長さ(ms)、頻度(回数) を確認、記録した。 現在、蓄積したデータから、発話の速度差によって音声生成にどのような相違、傾向が見られるか検証中である。よどみなく発せられる英語配列の一息の長さに時間的な制約があるのか、また、そのまとまり内の音節数の長さはどの程度であるのかを検証する。そして、発話速度が速い場合に一度に発せられる言語量が多く、発話速度が遅い場合に一度に発せられる言語量が少ないことを確認したい。そうすることにより、音声生成のメカニズムの一端を解明することになると考える。平成24年度からは、音声生成の特徴を踏まえて、それをリスニング練習にどのように反映させるか研究する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度から任された、所属している学会(中国地区英語教育学会)の事務局長としての仕事が一年を通じて予想以上に忙しかったため、本研究に十分な時間を割くことができないことが多かった。さらに、平成23年度は、学内で助成を受けた特別研究の学科リーダーも務め、その研究にも多くの時間を割かれた。これらの理由から、平成23年度に実施した研究成果を論文という形でまとめることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策であるが、まず、平成23年度に実施した研究内容を、十分にデータ分析ができた段階で学会発表を行い、論文にまとめる予定である。 平成24年度には、認知行為としてのシャドーイングとリピーティングの機能の比較を行い、平成25年度には、ポーズを利用したリピーティング練習と逐次通訳練習の効果の検証を行う。 最終的には、英語音声の生成・認識のメカニズムを解明し、音声の復唱・保持能力、さらには音声を瞬時に意味解釈することが、聴解(英語のリスニング)に不可欠であることを明らかにしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度には、異なる学習条件が日本人英語学習者にどのような効果、影響を及ぼすのかを検証するために、日本人英語学習者向けに開発された「ACE(= Assessment of Communicative English)テスト」(ELPA:英語運用能力評価協会)をプレ・ポストテストとして用いる予算を申請した。多量の音声データを確認、測定する必要があるため、研究補助員として1名分の謝金を計上した。 なお、研究全般にわたって多量の音声データを取り扱うため、保存・管理用として音声記録媒体(USB、CDなど)の予算を計上した。 また、研究成果を学会にて報告する経費として旅費、および論文発表の際に必要な諸経費を計上した。 研究計画の変更であるが、当初予定していた一斉に学習者の音声を録音することができるLanguage Laboratoryが校舎改築に伴い使用できないことになったため、平成24年度の研究課題を行う後期の授業では、ボイスレコーダーのような録音機器を複数用いて、シャドーイング、リピーティングの測定を行うことを検討中である。
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