平成25年度の研究について2点報告する。一つは、平成24年度後期に調査を実施したシャドーイング練習グループとリピーティング練習グループの練習効果の比較検証である。調査参加者はプレ・ポストテストとしてリスニングテスト、筆記テスト、シャドーイングテスト、リピーティングテストを受けた。結果は、両グループ間でリスニングテストや筆記テストの伸びに効果が見られないが、シャドーイング練習グループはシャドーイングテスト、リピーティングテストにおいてリピーティング練習グループより明らかな伸びが見られるというものであった。研究結果をまとめ、学会発表・論文投稿を行い、「認知行為としてのシャドーイングとリピーティングの比較」という論文標題で『中国地区英語教育学会研究紀要 No.44 (2014)』に掲載された。 二つ目は、平成25年度後期に実施した、まとまりのある音声間のポーズを利用したリピーティング練習と逐次通訳練習の効果の違いの検証である。参加者の英語運用能力と英語リピーティング力、逐次通訳能力の関連を調査するために、プレ・ポストテストを行った。参加者の英語リピーティング力と逐次通訳能力の測定には録音音声を用いている。練習についてであるが、大学の半期(15回)の講義で行った。素材は授業用のテキストなどを用い、各回の授業で30分から45分程度練習に当てた。リピーティング練習をするグループはリピーティングばかりを行い、逐次通訳練習を行うグループは期間を通じて逐次通訳練習を行った。英語が専門の学科では他の要因が多く含まれるので、参加者は英語が専門でない学科の学生とした。現在、データをまとめ、分析を行っている。研究結果については、学会発表・論文投稿を行う予定である。
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