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本研究の目的は、異質な集団間の文化交渉における同化の問題を、日米文化交流史における来日アメリカン・ボード宣教師の事跡を具体的な分析対象としつつ、歴史的に探求することである。科研費交付希望期間である３年間で実現を目指したのは、大きく分けて以下の３点である。(1) アメリカン・ボード来日宣教師に関する一次資料の収集。(2) 同上テーマに関する二次資料の追加的収集。(3) 収集した資料の読解・分析を行い、そうした作業を通じて得られた新たな知見と成果を、論文・学会発表の形で公表する。
本年度もこれまでに引き続き、文献資料の検索・収集・分析を実施した。特に研究テーマに関する二次文献の追加分を購入し、それらの読解を通じてアメリカン・ボードの宣教活動の世界史的な重要性を把握することに努めた。これによって得られた新知見は、後述の学会発表や論文に反映させることができたので、二次文献の調査については、おおむね順調に進んだと思う。
これに並行して、昨年度と同じく収集資料の整理をアルバイト人員の手を借りつつ進め、資料の読解ならびに必要部分の翻訳作業に着手し、対象資料の時代的な背景分析と歴史的な位置づけ作業を、可能な限りおこなった。
具体的な成果としては、これまでの調査・研究に基づき２つの学会発表を実施し、また論文１本を出版した。昨年度中は上記の実現目標の(3)の中の、「収集した資料の読解・分析」に集中したので、本年度はその延長として、昨年度からの資料分析によって得られた蓄積に基づき、研究成果を学会発表と論文の両方の形で公表することができた。総じて、本年度の研究は緩やかながらも、着実に進展したと言えよう。
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