研究課題/領域番号 |
23520788
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小倉 佳絵 (高光 佳絵) 千葉大学, 人文社会科学研究科(系), 助教 (10334591)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 太平洋問題調査会 / アジア太平洋秩序 / ブレークスリー / ホーンベック / E.C.カーター / 戦間期 / IPR |
研究概要 |
国務省のアジア・太平洋秩序観とアメリカ社会の期待・認識の関係を明らかにするために、ホーンベックとブレークスリーを軸に据えて調査分析を行った。 クラーク大学(米国マサチューセッツ州)所蔵のBlakeslee Papers、フランクリン・ルーズヴェルト図書館(米国ニューヨーク州)所蔵のWelles Papers、スタンフォード大学フーヴァー研究所文書館(米国カリフォルニア州)所蔵のHornbeck Papersの調査を実施し、必要史料を収集した。 主としてHornbeck Papersの分析結果より、ホーンベックを通じて国務省とIPRの連絡が行われ、先行研究で明らかにされている以上に、密接な関係があった時期があることが明らかになった。 IPR側ではエドワード・カーター国際事務局長が国務省に積極的に国務省への働きかけを行い、旧知のホーンベックを通じて、ハル国務長官、ウェルズ国務次官へとネットワークを広げていったことも分かった。 しかし、1920年代から40年代のホーンベックのIPRへの対応は一貫していたわけではなく、積極的に応じた時期は1939年以降に限定されることも明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
収集した史料の分析により、IPR国際事務局長のエドワード・カーターが重要な役割を果たしていたことが明らかとなり、次年度の調査の方向性を決定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
23年度に収集した史料の分析により、重要な役割を果たしたことが明らかとなったエドワード・カーターを中心に、今後の史料収集を進める。カーターの国務省へのアプローチは、必ずしもIPRの総意を示していない可能性が高いため、カーター個人の活動にも注目することにする。したがって、彼が関わっていたIPR以外の民間団体(United China Relief, United Russian Reliefなど)にも視野を広げる。
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次年度の研究費の使用計画 |
コロンビア大学(米国ニューヨーク州)所蔵のIPR Papers, E. C. Carter Papersの調査を行う。その分析に基づき、1940年12月に、カーターの主催でIPRとは関係なく開催された「太平洋における英米協力」と題する米豪英蘭印による民間人会議について、オーストラリアの史料を調査する。
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