北海道に所在する歴史史料は、地域の歴史に応じてその性格が規定される場合が少なくない。移住者のもたらした史料は、その移住元の属性を反映している。たとえば、士族移民の伝える史料は移住元には失われた武家文書としての価値がある。松前商人が移住先にもたらした史料群は、江戸時代の商業文書としての価値がある。開墾地で集積された文書は「殖民社会」の形成過程を示す価値がある。 本研究プロジェクトでは、北海道に伝存したいくつかの未整理史料群につき、上述のような特質を意識しつつ、目録の作成を実施し、その特質を明らかにした。目録作成に際しては、院生・学生の参加を得て、史料整理手法に関する教育的効果を期した。
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