本研究の目的は、日本の近世社会を主な事例として、自然資源の利用と管理に関する歴史学的研究を、主に漁業(水産資源)を事例として行うことである。このような目的意識のもと、本研究では、①豆州内浦などを分析対象拠点として、資源変動とそれに対する地域の生業・社会の対応を、事例に則して掘り下げる地域史研究の作業と、②全国各地に明治期の行政文書として残されている、伝統的生業の技術や技能・慣行などに関する行政・調査資料の概要調査とデータ収集、という二つの作業を進めた。これらの研究をまとめ、最終年度に『近世・近代の水産資源と生業ー保全と繁殖の時代ー』を吉川弘文館から刊行した。
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