研究課題/領域番号 |
23520805
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
安田 次郎 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (60126191)
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研究分担者 |
末柄 豊 東京大学, 史料編纂所, 准教授(Associate Professor) (70251478)
前川 祐一郎 東京大学, 史料編纂所, 准教授(Associate Professor) (00292798)
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キーワード | 寺院 / 興福寺 / 室町幕府 / 尋尊 / 紙背文書 / 大乗院 |
研究概要 |
三年めの平成25年度は,過去二年間で得た問題のさらなる追究と、これまでの成果の総括、および発表の準備に努めた。代表者の安田は、興福寺大乗院門跡尋尊が生涯にわたって築いた「人のつながり」の総体をさらに解明するべく、『大乗院寺社雑事記』、『経覚私要鈔』、『政覚大僧正記』などの記録類や『福智院家文書』などの文書類の分析を進めて、尋尊の伝記を書き発表する準備を整えた。とくに今年度成果としては、一乗院門跡教玄との「つながり」について見通しが得られたことが挙げられる。分担者の末柄は、引き続き広く関係史料の収集・「発掘」に努めるとともに、公家、武家、寺家三社会の「人のつながり」を踏まえた社会史論を準備中。同じく前川は、畿内戦国期権力による「人のつながり」の世界の編成・統合の論理について考察を続けた。つねに視野を広く持ち、また情報交換のために、代表者と分担者は定期的に東大史料編纂所で会合を持った。 なお、年度末の慌ただしい時期に重なり、急病・入院のために研究代表者の安田は参加できなかったが、末柄・前川を中心として、3月26日から28日の間、京都大学文学部陳列館1階の古文書整理室において、京都市山田家から同家所蔵「福智院家文書」を借り出し、文書原本調査を実施した。この調査によって、近々入稿予定の史料集のための原稿点検、続編に収録すべき史料の検討などを行うことができた。またこの調査に際しては、東大史料編纂所近世史料部の研究者および修補室の技術者各1名、京都府立大学の大学院生など3名の助力・参加を仰ぎ、近世文書および文書料紙などに関して多くの新知見を得た。
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