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2011 年度 実施状況報告書

偽文書・由緒書からみる近世の歴史認識と記憶

研究課題

研究課題/領域番号 23520808
研究機関信州大学

研究代表者

山本 英二  信州大学, 人文学部, 教授 (20262678)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2016-03-31
キーワード歴史認識 / 記憶 / 偽文書 / 由緒
研究概要

本年度は、当初の研究計画に基づき、長野県木曽郡王滝村御嶽神社滝家文書の整理をおこなった。滝家文書は、本蔵と東蔵の2か所に保存されているが、本年度は主に本蔵の整理作業を進めた。 調査にあっては、主に本蔵に所蔵される古文書・古典籍・祝詞類について、現状記録・古文書取り上げ・目録編成・データ入力作業を、研究協力者および調査補助員とともに実施した。王滝村は、1984年に長野県西部地震により大きな被害を被ったが、幸い滝家は深刻な影響を受けておらず、土蔵なども被災した形跡もなく、古文書の保存環境は、良好であった。また戦前・戦後を通じて悉皆調査が行われたこともないため、現在の秩序は、限りなく原形に近いことが判明した。  調査の結果、これまで未確認であった多数の古文書や祝詞類を発見することができた。なかでも滝家が京都の吉田家から拝領した神道裁許状を確認し、17世紀初頭から18世紀前半における神主身分獲得過程について詳細に知りうる史料が発見された。分析した結果、滝家の神主身分獲得はそれほど早くはなく、よって御嶽信仰の成立は、従来言われているように、戦国期までさかのぼることはない可能性が出てきた。この点については、さらに今後の成果が期待されるところである。 このほか、滝家文書の保管・保存状況の比較参照のために、新潟県小千谷市・長野県佐久市・静岡県浜松市などの寺社関係文書の調査を行い、成果を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初は、4月から早々に現地で古文書調査に専念する予定であった。しかし2011年3月12日の長野県栄村で発生した長野県北部地震の史料レスキュー活動に参加した結果、本格的な調査が夏休み後半(9月)にずれ込んだ。そのため本年度に想定していた古文書の整理作業に若干の遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

本年度は、大震災の影響により若干の遅れが生じた古文書の整理作業を中心に、研究を推進したいと考えている。 また関連史料を所蔵する研究機関や博物館などでも調査を進めたいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、滝家文書のうち、本蔵所蔵の古文書・古典籍・祝詞類について、現状記録・古文書取り上げ・目録編成・データ入力作業を鋭意進める予定である。 また、当初計画では、本年度の夏休み前半までに史料調査を実施する予定であったが、研究所進捗状況により、次年度実施することとなったため、次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 近世初期貨幣の使用実態2011

    • 著者名/発表者名
      山本英二
    • 学会等名
      静岡地域史研究会
    • 発表場所
      磐田市ワークピア磐田
    • 年月日
      2011年6月25日
  • [図書] 再検証 史料が語る新事実 書き換えられる日本史2011

    • 著者名/発表者名
      村岡薫・戸川点・樋口州男・野口華世・武井弘一・藤木正史・山本英二他
    • 総ページ数
      254
    • 出版者
      小径舎

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公開日: 2013-07-10  

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