研究課題/領域番号 |
23520819
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中野 等 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (10301350)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 豊臣政権 / 大陸侵攻 / 朝鮮出兵 / 植民地支配 / 歴史認識 |
研究概要 |
国立国会図書館本館・同関西館、および国立公文書館において、太平洋戦争以前とりわけ朝鮮半島植民地期の学術研究書・学術論文の精査をすすめた。原資料保存の観点から、大半の資料はマイクロフィルム・マイクロフィシュ化されているが、23年度は主に朝鮮半島で刊行された書物・論文を調査対象とした。具体的には朝鮮総督府刊行の雑誌『朝鮮』や朝鮮及満洲社刊行の雑誌『朝鮮及満洲』などに掲載された論文等である。 また、研究成果の公表としては雑誌『歴史学研究』の882号(2011年)8月に「近世後期における「唐入り」の語られ方」、『九州文化史研究所紀要』55号(2012年3月)に「山崎尚長の『両国壬辰実記』と刊本『正実 朝鮮征討始末記』」を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今次の科学研究費としては初年度であるが、前回申請した課題の延長の位置するものであり、そうした成果を踏まえ、かなり課題が達成できた。従前の研究期間で、近世段階の言説については数編の論文を発表しており、今回はこれをふまえて近代移行に重点をおいて課題の遂行を行っている。資料収集については、植民地(当時の呼称からすると「外地」)での研究論文、学術書を中心に分析、収集を進めてきたが、戦前期の文献収集については八割程度の達成である考えている。今年度は近代日本における大陸侵攻・朝鮮出兵の研究展開について、学会報告なり論文作成なりでの成果還元を考えている。
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今後の研究の推進方策 |
資料収集は順調にすすんでいるので、今年度も継続的に進めていく。これまでは植民地(当時の呼称からすると「外地」)での研究論文、学術書を中心に考察を進めてきたので、今年度は昭和戦前期に日本の「内地」で、豊臣政権の大陸侵攻・朝鮮出兵がどのように研究されてきたのかにも関心を広げていく。 研究成果の公表に関しても、昨年度と同様に積極的にすすめていくつもりである。具体的には文献収集に一定の目途がたった段階で、稿本のかたちとして関係文献目録の作成を考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の執行予定としてはは、継続して基礎的文献の購入、史資料収集のための旅費および複写費が中心となる。
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