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2011 年度 実施状況報告書

台湾総督府による中国華南地域への医療支援

研究課題

研究課題/領域番号 23520821
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

中川 恵子 (末永 恵子)  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (10315658)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード台湾 / 植民地 / 医学 / 医療支援 / 台湾総督府 / 中国華南 / 日中戦争 / 東南アジア
研究概要

本研究の目的は、台湾総督府による博愛会を通じての中国華南への医療支援策とその医療の実態を分析することによって、日本の植民地医学の中国における進出とその展開を明らかにすることにある。そのために本年度は、台湾の医学や台湾統治、台湾の対華南政策に関する先行研究の成果をむまえるため、先行研究の文献を収集し、読み込みを行った。 当初予定していた『台湾総督府公文類纂』の読解は、まだ終了していないが、台湾で発刊された日本語の新聞を閲覧し、医学医療関連記事を抽出した。また、台湾で発刊された医学・医療関係の雑誌『台湾医事雑誌』・『台湾医学会雑誌』・『台湾総督府台北医院年報』・『社会事業の友』などを図書館にて閲覧することができた。 国立国会図書館関西館では、近年台湾で発行された医学・医療史関連の専門書を所蔵しており、それを閲覧、コピーした。 平成23年12月17日、東北大学にて国際シンポジウム「植民地時代の文化と教育II『朝鮮と台湾における植民地大学』が開催された。同シンポは、植民地における帝国大学が、植民地および宗主国日本にとってどのような存在であり、社会にどのような影響を与えていたか、という問題を扱っていた。シンポジストで国立台湾師範大学教授 呉 文星 氏は、「台北帝国大学と熱帯研究」というテーマで報告された。本研究に関連の深い台北帝国大学医学部についても触れておられ、たいへん参考になった。台湾の研究者とも連携して研究をすすめていければ、という希望をもった。 研究段階としては、史料収集の段階で、分析には至っていないが、今後分析と考察をすすめて行きたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

台湾での現地調査が行えなかった点と国内における史料調査が進まなかった点で、予定より遅れている。研究段階としては、史料収集の段階で、分析には至っていない。史料収集に思いのほか時間がかかってしまったことと、なかなか調査の時間がとれなかったことに「遅れ」の理由がある。

今後の研究の推進方策

引き続き、資料収集は続ける。そして、いままで収集してきた文献を読み込むとともに、文献から台湾と華南の医療に関する記述に注目し、抽出作業を進めたい。医学研究者名・医師名および研究事項・医院名・防疫を行った地域、主な疾病名をリストアップし、台湾と華南の医療に関係した人物・医院の傾向がわかるような事項別・人物別リストを作る。 台湾の現地調査、および国内における史料調査を精力的に行って情報を豊富化してゆきたい。

次年度の研究費の使用計画

台湾の現地調査、および国内における史料調査を行うべく、研究費を旅費として使うとともに、資料の購入にも有効に使用したい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 日中戦争期における対中国医療支援事業の変容―同仁会の医療支援について―2011

    • 著者名/発表者名
      末永恵子
    • 雑誌名

      宮城歴史科学研究

      巻: 68・69合併号 ページ: 21-60

  • [雑誌論文] アジア太平洋戦争期における医育教育機関の卒業生の戦没者について2011

    • 著者名/発表者名
      末永恵子
    • 雑誌名

      15年戦争と日本の医学医療研究会会誌

      巻: 12-1 ページ: 15-21

  • [雑誌論文] 中国浙江省衢州・崇山村・義烏における細菌戦被害の聞き取りの調査報告2011

    • 著者名/発表者名
      末永恵子
    • 雑誌名

      15年戦争と日本の医学医療研究会会誌

      巻: 11-2 ページ: 36-43

  • [図書] 新聞に見る福島の医療2012

    • 著者名/発表者名
      末永恵子・福田俊章・藤野美都子
    • 総ページ数
      108
    • 出版者
      アカデミア・コンソーシアムふくしま

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公開日: 2013-07-10  

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