「明治国家形成期における華族の政治史的研究」について、まずは、主に山口県文書館の諸資料から旧長州藩士族と毛利家の動向について調査を進めるため、平成27(2015)年度から着手している、毛利家文書の原稿用紙への筆写を行った。今年度も御家流のくずし字に対応するため、一般アルバイト等には作業を依頼することができず、校務の合間を利用してパソコンへの入力作業を行い、史料リストと史料集の作成作業についても、継続して取り組んだ。 また、廃藩置県とその後については、毛利元徳の動向を対象とし、引き続き、これまで収集した資料の内容分析を行った。具体的には、昨年より用いている元徳の父敬親の『忠正公勤王事蹟』を活用して、廃藩置県前後の動向、廃藩置県後の旧山口藩の山口県への転換、毛利家の東京転換及び旧家臣団の対応の調査を進めた。加えて、元徳の家扶の日記については、収集した写真資料の整理を進め、同資料を元に明治期の元徳の動静分析を進めることができた。 山口県文書館の「忠正公伝」「忠愛公伝」についても、引き続き、膨大な筆写作業を進めて、分析を行った。 別校務で山口県を訪問した際に、山口県文書館を訪問することができたため、引き続き、「両光伝編年史料」を閲覧し、複写資料を収集することができた。 これまで収集してきた資料は膨大であり、一つ一つに対して丁寧な筆写や整理が必要であるため、今後も引き続き、整理作業を進めるとともに、今後はこれら資料の分析作業を進めて、成果公刊に繋げたい。
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