本研究は、旧藩華族について、史料に基づいた実証的な研究を行い、旧藩華族の国家的役割及び社会的意義を明らかにすることを目的とした。第一に、山口県文書館に所蔵されている毛利家文庫の調査を行い、廃藩置県後の大名家当主に関係する資料を収集してその内容を分析した。これにより、廃藩置県とその後の長州藩の動きを明らかにし、幕末長州藩研究に新たな視点を提起することができた。毛利家研究の前進に結びつけることができたと思われる。第二に、徳川幕府崩壊後に徳川家を相続し、静岡藩主となった徳川家達について、英国での調査や静岡県立図書館所蔵史料の調査を実施して、史料を収集し、考察を行った。
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