研究課題
基盤研究(C)
本研究は、国文学研究の成果が積み重ねられてきた『平家物語』成立圏について、治承・寿永内乱史研究の成果に基づいて、歴史学の立場から考察を行ったものである。Ⅰ『平家物語』諸本における「鹿ケ谷事件」譚の検討、Ⅱ「鹿ケ谷事件」譚を共有する鎌倉時代の文献・諸史料の検討、Ⅲ『平家物語』と相互交渉があった文学作品の検討、Ⅳ『平家物語』の影響を受けた諸史料の検討という四つの課題に取り組み、『平家物語』成立圏が鎌倉時代前期の慈円周辺にあったことを指摘した。
人文学