後期水戸学、会沢正志斎の思想との関連、横井小楠との相違から吉田松陰の独自の行動原理を解明した。解収集した史料分析を行い、吉田松陰が征韓論を形成するに至る経過を考察した。この成果は、成均館大学校におけるシンポジウムで報告を行い、「横井小楠と吉田松陰」(趙景達他編『東アジアの知識人』1、有志舎、2013年)としてまとめた。一九世紀、ペリー来航によって形成された危機意識は、富国強兵の論理へと行き着いたことの意味とその後の影響について考察した。征韓論に関わる対馬藩の動向に関しては、史料収集を行ったが、成果の公表には至っていない。今後はこの問題を解決したい。
|