研究課題/領域番号 |
23520851
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研究機関 | 沖縄工業高等専門学校 |
研究代表者 |
下郡 剛 沖縄工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (50413886)
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研究分担者 |
林 譲 東京大学, 史料編さん所, 教授 (00164971)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 琉球 / 寺院 / 社会的機能 / 臨済宗 / 真言宗 / 沖縄県外史料 / 妙心寺 / 高野山金剛峰寺 |
研究概要 |
東京大学史料編纂所架蔵史料を中心に、琉球寺院関係データの集積を進め、本年度は、琉球寺院名、僧侶名等、96件のデータを蓄積できた。また、3月中旬に研究代表者・研究分担者・研究協力者の3名で、琉球寺院現地調査を行い(旅費の内、沖縄高専負担分は4月中旬支払予定)これまで把握していなかった石造物等の存在を確認できた。これらの石造物等には、僧侶名や没年月日までもが記されたものもあり、これまでに蓄積した沖縄県外史料データと対応させることで、沖縄県外史料の資料的信頼性を高めることができる点を確認できた。平成22年に発見した東京大学史料編纂所架蔵史料、『琉球国由来記』「諸寺旧記」の続編の場合と同じく、東京と沖縄とでの連携調査の重要性を再度確認、次年度以降も沖縄県内現地調査を継続してゆくことを確認した。 さらに、東京大学史料編纂所架蔵史料、『琉球国由来記』「諸寺旧記」の続編については、発表に向けて、全文翻刻を終えた。 研究成果としては、当該年度中に公刊された論文とは別に、「乾隆二十四年作成の久米島具志川間切家譜について」及び「日記に見える院宣について」の二論文を執筆・投稿し、現在査読中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は、平成19年度~22年度の「近世琉球寺院の社会的機能の解明―私寺の分析を中心に―」での研究成果を受けて、さらに発展させたものである。しかし、平成23年3月に東京にて、研究代表者、研究分担者、研究協力者の3名で、研究取りまとめを予定していたが、同月の大震災のため、実施できなかった。この研究取りまとめは、平成23年8月に実施したのだが、そのために、半年間、研究の進展が滞ってしまった。研究の進展が滞った具体的な事例の一つとして、平成22年に発見した『琉球国由来記』「諸寺旧記」続編があり、本研究課題申請時点では、平成23年度中に論文として発表する予定であったが、「研究実績の概要」で述べたように、現在、全文翻刻がようやく終えた段階である。また、平成23年3月の大震災では、本研究課題の研究取りまとめだけでなく、研究代表者の他の研究課題の調査も実施できなくなった。その分の研究調査もまた平成23年8月に実施したため、申請段階で予定してた平成23年8月の東京での調査1回分が、日程が取れず、全く実施できなかった。 他方で、想定外に研究が進んだ分野として、琉球寺院現地調査で確認できた石造物資料の確認があり、これらの石造物資料と沖縄県外資料とを対応させることで、双方の資料的価値が高まってゆくことを確認できた。よって、沖縄県内資料と『琉球国由来記』「諸寺旧記」続編をあわせて、論文としてはではなく、書籍として出版する方向で検討している。 震災の影響で研究の進展が遅れた分野と、想定外に研究が進んだ分野とがあり、全体として「おおむね順調」とした。但し、沖縄県外調査分の研究進展が遅れた結果、研究代表者分の予算執行は予定どおりに進展しなかった。
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今後の研究の推進方策 |
当該研究費が生じた状況は、前に「現在までの達成度」で詳述したように、大震災の影響を受けたためである。また「研究実績の概要」で記述したように、平成23年3月に研究代表者・研究分担者・研究協力者の3名で行った沖縄本島琉球寺院現地調査での旅費の内、沖縄高専負担分は4月中旬支払予定となっており、本報告書作成段階では「次年度使用額」の中に含まれる平成23年度中執行済み研究費である。 次に「今後の研究推進方策」について述べる。 当初、研究代表者・研究分担者・研究協力者の合同での琉球寺院現地調査は初年度のみ実施の予定であったが、研究成果が大きかったことを踏まえて、少なくとも二年度目も継続実施することとした。さらに、研究申請段階では、離島の調査は念頭に置いていなかったが、今年度中に研究代表者のみでまず宮古島での寺院調査を行うこととする。また日程調整が可能であれば、石垣島での寺院調査、及び伊江島での寺院跡調査も今年度中に行いたい。日程調整が難しければ石垣島・伊江島については次年度以降の段階で実施し、最終的には、近世期に存在した琉球寺院は全て現地調査を行う。 他方で、東京大学史料編纂所架蔵史料、『琉球国由来記』「諸寺旧記」の続編については、発表準備を継続する。 さらに、東京大学史料編纂所架蔵史料を中心に、琉球寺院関係データの集積を進めてゆく。
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次年度の研究費の使用計画 |
宮古島・石垣島・伊江島での研究代表者による調査旅費、及び研究代表者・研究分担者・研究協力者合同での沖縄本島調査は当初予定していなかったが、平成23年度中に執行できなかった研究費(次年度使用額)を充てる予定であるため、全体としては、申請時と大きな変更はない。
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