研究概要 |
研究基盤確立のために、近世大坂の両替商に関する史料調査および図書の購入を行った。 千草屋宗十郎(平瀬家)文書については、研究補助者も雇用し、約3,200点(経営関係1,700点、文化・社会関係1,500点)の史料リストを作成した。とくに経営関係の史料については、整理とリスト作りが終了した。 銭屋佐兵衛(逸身家)文書を東京大学より大阪歴史博物館に寄託替えし、研究を進めた。とくに、銭屋佐兵衛が関わっていた熊本藩の明礬流通に関する史料分析および熊本やそれに関連する別府での明礬生産・流通に関する関連史料を収集した。また、逸身家の家系に関する史料や土地所有にかかる史料を収集した。銭屋佐兵衛家全体については、研究会を開催して、外部研究者から、逸身家の家族関係や別家手代などとの関係、経営全般や大名貸や公債の処理など推移などについての知見を得た。 また、大坂三郷南組惣年寄安井家に関する新出史料を発見し、調査を行った。これは17世紀の都市開発にかかわる史料を多数含んでおり、17世紀段階での豪商や両替商を含む商人層の動向を知る上で貴重な史料である。
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