地中海を介したムスリムとキリスト教徒の関係史を、東地中海域史の観点から検討することを目標とした本研究では、東地中海域の一体性を確保していた技術や資源の研究、特に海洋交通と海軍のための技術と資源、地理的情報などについて、キリスト教徒とムスリム双方の史料を包括的に収集・検討し、さらに港湾都市及びクレタ島・キプロス島等の島嶼部の歴史の再構築を進めたが、その過程において、11~13世紀にかけて、航海技術と資源開発に飛躍的発展が見られ、東地中海域の国際関係にアルメニア人のネットワークが深く関わっていることが分かった。
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