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2014 年度 実績報告書

高句麗・渤海をめぐる中国・韓国の「歴史論争」克服のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520861
研究機関金沢大学

研究代表者

古畑 徹  金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (80199439)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード国際情報交換 / 韓国 / 中国 / ロシア / 北朝鮮
研究実績の概要

最終年度である今年度は、計画通りに「中国・韓国の歴史教科書や代表的概説書等にみえる高句麗・渤海認識の変遷」「韓国側の中心機関である東北亜歴史財団の動向」の2点を中心に研究を進め、その一端を韓国・東北亜歴史財団セミナー(2014年12月2日)にて「中国『東北工程』の冊封理解と唐王朝の内外区分の考え方について」と題して報告した。また、今年度に予定していた本研究成果の最終報告書の作成に関しては、吉川弘文館より<歴史文化ライブラリー>『渤海国とは何か(仮称)』の執筆依頼が入ったため、成果報告書として本書を執筆することとし、作成時期を遅らせることにした。なお、本書の刊行は、平成27年度末もしくは28年度前半の予定である。

本研究は、高句麗・渤海をめぐる中国・韓国の「歴史論争」を的確に把握し、この「論争」を本来の学問論争の世界に立ち返らせて、緻密な歴史学的研究によって克服のための基礎的部分を確立すること、およびそれを通して東アジアの歴史的構造理解にさらなる前進をもたらすことを目指していた。この目標に対して、研究の全期間を通して、中韓両国の論争の経緯と両国および北朝鮮・ロシアの新たな研究動向を整理して問題点を析出するとともに、次の3点の主要成果を得た。第1は、唐代の国際システムが、中国の「内」「外」以と、指標によってどちらにもなりうる中間ゾーンという三層構造でできており、それは時代によって変動する流動的なものであることを明らかにしたことである。第2は、高句麗はその三層構造の「外」の存在であったが、渤海は中間ゾーンであり、時間経過とともに「外」に移行したことを明らかにしたことである。第3は、渤海はいくかの広域地域にまたがる存在で、渤海史の新たな叙述方法として各「地域」における渤海の位置づけを組み合わせて描くという多面的な叙述方法があるとの見解に達したことである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 中国「東北工程」の冊封理解と唐王朝の内外区分の考え方について2014

    • 著者名/発表者名
      古畑 徹
    • 学会等名
      東北亜歴史財団セミナー
    • 発表場所
      韓国・東北亜歴史財団
    • 年月日
      2014-12-02
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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