近代以前の南アジアではペルシア語が行政上の文書や学術・文芸の著作などの媒体として社会に広く普及していた。一方、出版という新技術が導入された近代以降においてもなお、ペルシア語著作が出版物の重要なレパートリーであり続けたことの実態とその意味は、十分に研究されてこなかった。本研究では、その研究のための基礎作業として、南アジアで行われたペルシア語作品の出版物についてのコーパス(総合的な目録データベース)を作成するため、目録類などの参考書、古典籍の公刊本を多数入手したほか、未公刊の古典籍については手写本資料の調査も行うことによって、所要のデータを収集した。
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