研究課題/領域番号 |
23520867
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
川本 芳昭 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (20136401)
|
研究分担者 |
藤野 月子 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 研究員 (30581540)
福永 善隆 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 研究員 (00581539)
戸川 貴行 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 研究員 (60552255)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
キーワード | 内朝 / 北魏 / 倭国 / 元 / 東洋史研究 / 史学雑誌 / 国家 / 支配構造 |
研究概要 |
昨年度、代表者は一応の全体的見通しに基づく成果を上げた。また、代表者、分担者ともその成果を国際学会で報告した(於中国太原)。 太原の学会で、代表者(川本)は、北魏の内朝についての再考察を行い、さらにそれと漢、倭国、元との比較を行った。またその成果を、京都大学が刊行する国際的学術誌『東洋史研究』に掲載した。また、国際学会である中国の魏晋南北朝史学会年会において「北魏内朝再論」として発表した(中国山西省太原開催、2011年10月)。 分担者(福永)は、論文:「前漢における内朝の形成―郎官・大夫の変遷を中心として―」(『史学雑誌』第120編第8号、史学会)、「漢代的尚書与内朝」(『第五届中国中古史青年学者国際検討会会議論文集』(第五届中国中古史青年学者国国際検討会)とする二編の論文をそれぞれ著名な国際的学術誌に掲載した。なお後者は北京首都師範大学において2011年8月に開催された第五届中国中古史青年学者国際検討会において発表したものである。分担者(藤野)は、2012年3月、『王昭君から文成公主へ―中国古代の国際結婚―』、(九州大学出版会)と題する著書を刊行した。また、代表者と同道して上述の国際学会である中国の魏晋南北朝史学会年会において「北朝隋唐代的和蕃公主―変遷過程和降嫁儀礼的実際状態―」と題し、また、九州地区の東洋史学の研究会において、「和蕃公主の降嫁における儀礼について」(東洋史学研究会、福岡大学開催)と題し発表した。分担者(戸川)は、「東晋南朝における伝統の創造について―楽曲編成を中心としてみた―」(『東方学』第122輯、東方学会、2011年7月)、「魏晋南北朝」(回顧と展望)(『史学雑誌』第120編第5号、史学会、2011年5月)を発表しまた、代表者と同道して上述の中国の魏晋南北朝史学会年会において「東晋南朝的伝統創造考論-以楽曲的編成為中心」と題し、報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度、代表者は一応の全体的見通しに基づく成果を上げた。また、代表者、分担者ともその成果を国際学会で報告した(於中国太原)。本年度、代表者は漢と北魏の国制の比較に注力する。分担者はそれぞれの専攻する時代の研究を引き続き行う。すなわち藤野は唐代の、福永は漢代の、戸川は研究協力者として南朝の国制研究を継続する。国際学会での報告は本年度行うこととしていたが、関係の国際学会(魏晋南北朝史学会)が昨年度開催されたため、繰り上げて参加・報告したので、今年度の国際学会参加は見送た。国際学会の開催が繰り上がったため、旅費などを私費等でまかなった。研究成果は十分あがっていると評価している。
|
今後の研究の推進方策 |
申請時に提出した実施計画に基づき、代表者は、漢、古代日本の国制と北魏の国制との比較を進める。現在、北魏の国制と元の国制との比較をも行っているが、研究の進展に応じ、この問題に注力することもあり得る。北魏の国制と元の国制との比較、および4年間の研究の全体の総括を行い、国際学会で報告する。3年に一度開催予定の国際学会であるである魏晋南北朝史学会、あるいは唐代史学会を想定している。また、これまでの成果を踏まえ、著書を刊行する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
昨年度と同様、国内、国外の調査旅費の支出を主とする。分担者などの学会参加、成果報告のための旅費も確保する。
|