研究課題/領域番号 |
23520868
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
永島 広紀 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (50315181)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 朝鮮王朝「儀軌」 / 宮内省図書寮 / 朝鮮総督府参事官室 / 李王職 / 李朝実録 |
研究概要 |
1)国内においては宮内庁書陵部、国立公文書館、佐賀県立名護屋城博物館等、国外においては、韓国・国立中央博物館、ソウル大学校奎章閣韓国学研究院・同中央図書館等、米国・トルーマンライブラリー等にて史料収集を行い、所期の成果を得た。2)研究成果の一部は『朝鮮王朝「儀軌」 百年の流転』(NHK出版、2011年10月、総248頁)中、「『朝鮮王朝儀軌』とは果たして何か?」(117~146頁)・「宮内庁書陵部所蔵『儀軌』リスト」(212~232頁)・「有賀啓太郎と朝鮮総督府『参事官室』の図書整理」(234~238頁)として公刊された。3)宮内庁書陵部(宮内省図書寮)の図書収集とも密接な関係を有する初代朝鮮総督・寺内正毅の関係資料(山口県立大学所蔵)に関しても調査と整理が大きく進捗した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1)研究成果としてまず一般書の形ではあるが、それを出版公刊できた。2)またその韓国語翻訳版が韓国にて出版予定である。3)日本政府による「儀軌」の引き渡しに伴い、韓国国立故宮博物館において実施された展覧会(2011年12月~2012年2月)において研究代表者が見出した新出史料も根拠史料としてパネル展示された。4)図書の刊行に先立ち、その内容が2011年8月19日夜10:00~10:50にNHK総合で地上波放映された。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き宮内庁書陵部他の関係機関において史料調査を実施するとともに、重要史料のテキストデータ化、および分類・整理を実施する予定である。また研究の進捗によって明らかになってきた朝鮮総督府による「古蹟調査事業」と朝鮮文化財の保存問題との関連性についても同時並行して調査と検証を行う。さらには1965年の「日韓基本条約」締結を前後する時期の「文化財」問題に関して、対象となった宮内庁書陵部所蔵本に関しても調査を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度に引き続き国内での史料調査を継続するともに、国外においては、とりわけ韓国・韓国学中央研究院に所蔵される旧李王職関係の歴史資料に関して重点的に調査を実施するとともに、アメリカの公文書館等でも接収文書中に含まれる関係史料の検出に努める。
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