研究課題/領域番号 |
23520873
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
村松 弘一 学習院大学, 付置研究所, 教授 (70365071)
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キーワード | 国際研究者交流(中国) |
研究概要 |
本研究は足立喜六氏の資料を中心にその他の明治・大正期の写真などの資料を比較検討することを先ず初めの段階とする。2012年度は昨年度の作業を整理し、陝西省・西安市などの古写真のデータベース化をすすめた。古写真・絵葉書資料は学習院大学にも残されており、それらの資料を軸にバーチャルミュージアムのコンテンツのフォームと資料の補充を並行しておこない、公表の方法についても検討した。また、台湾の故宮博物院にて、流失文物データベース(館内のみ)を利用して、詳しく情報を得ることができた。 また、本研究と関連して以下の研究をすすてきた。 (1)特別展覧会「学習院の東洋学」を実施-東洋文化研究所60周年の展覧会を実施。ガラス乾板資料を活用した授業など教育とかかわる写真資料の可能性についても議論した。 (2)『見せるアジア、見られるアジア-近代国家と博物館・博覧会』(山川出版社)(論文名:「引き裂かれた唐昭陵「六駿」-ペンシルバニア大学アーカイブズ資料から」)の刊行の準備をすすめた。この本の各章は2011年2月のシンポジウムを論文としてまとめたものである。 (3)『宇宙と地下からのメッセージ-秦の始皇帝陵の自然環境』のなかの、一部に「古写真からみた始皇帝陵」と題した論文を掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では足立喜六氏の遺品資料を中心に明治・大正期の日本人の中国に対する意識を見ることを目的としている。これまでの研究では、足立喜六氏の遺品資料の本格的な調査をすすめるための基礎固めとしての関連資料とくに写真資料の収集・データベース化をすす めた。この点においては、1000枚以上のデータが収集できたことは今後の調査のために役立つものと考えられる。それをもとに、西安の文化財の保護問題などに関する論文を準備している。また、ほかのプロジェクトと連動して写真・絵葉書の画像資料を展示する準備をすすめている。足立喜六氏の遺族の所持する資料を再調査する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は本年度整備した西安古写真データベースと足立氏の資料を比較して調査するとともに、更にデータベースの充実化をはかってゆきたい。また、足立氏の遺品資料の再調査 をおこない、写真資料のみならず、手書き資料などの調査もすすめる。また、これらの刊行及び展示について遂行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
国内旅費(足立氏宅調査)20万、運搬費20万、関連書籍50万、海外調査旅費30万円 資料保管箱10万、調査協力謝礼70万円
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