研究課題/領域番号 |
23520882
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
磯貝 健一 追手門学院大学, 国際教養学部, 准教授 (40351259)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 東洋史 / 中央アジア / ロシア帝国 / イスラーム法廷文書 / 裁判 / 古文書 |
研究概要 |
【作業内容】平成23年度は、「研究実施計画」にもとづき、イスラーム法学、および、ロシア統治期中央アジア史を扱う各種の研究文献を収集、閲覧するとともに、8月にウズベキスタン共和国に出張して、現地の国立中央古文書館で、研究遂行のために必要なアラビア文字裁判関連文書の選定作業を実施した。また、2月から3月にかけて、報告者と同じく中央アジアのイスラーム法廷文書を専門とする矢島洋一に同共和国への出張を依頼し、上記古文書館に所蔵される、ロシア帝国領トルキスタンのイスラーム法廷の判決文台帳を調査するとともに、その一部を入手した。【作業の意義】まず、イスラーム法学、および、ロシア統治期中央アジア史関連の研究文献の収集、閲覧作業であるが、これは19-20世紀中央アジアのイスラーム法廷における裁判システムを、ロシア帝国の影響下にあった当時の中央アジア史の文脈の中に適切に位置づけ、さらには、これを前近代イスラーム世界全体における裁判制度と比較検討するうえで必須のものである。次に、8月の文書選定作業であるが、この作業の結果、上述の文書館には本研究の第一の対象であるブハラ・アミール国領内で作成されたペルシア語裁判関連文書が、少なくとも千点弱所蔵されていることがあきらかとなった。これらの文書は未だ国内外において本格的に研究の対象とされたことがないものである。最後に2月から3月にかけて矢島洋一により遂行された判決文台帳の調査であるが、この作業の結果入手した資料を熟読することで、独特な書体で記載されるロシア統治期イスラーム法廷文書台帳の字体に慣れ、以後の同文書館での調査をより効率的に遂行することが可能となろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は、事前に提出した「研究実施計画」の内容をほぼ実行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では、本研究の研究計画を変更する必要はない。よって、「研究実施計画」の内容通り、ウズベキスタン共和国立中央古文書館でのイスラーム法廷裁判関連文書の調査を中心に研究を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
「申請書」に記載した通り、イスラーム法学、および、中央アジア史を扱う研究文献の購入費、および、ウズベキスタン共和国に出張するための外国旅費を中心に研究費を使用する。
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