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2013 年度 実績報告書

ハプスブルク君主国における宗教の地域形成機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520887
研究機関城西大学

研究代表者

飯尾 唯紀  城西大学, 現代政策学部, 准教授 (80431352)

キーワードハプスブルク君主国 / ハンガリー / 地域社会 / 秩序形成 / カトリック / 改革派
研究概要

本研究の目的は、ハプスブルク家統治下のハンガリーを対象として、近世多民族帝国における地域社会形成に、宗教というファクターが果たした役割を明らかにすることであった。
最終年度にあたる本年度には、(1)当初予定していた史料収集を完了してその分析を行い、(2)研究発表および成果のとりまとめを進めた。
(1)に関しては、昨年度に実施した「宗教エージェント局」(地方のプロテスタント信者らの宗教問題に関する訴状を受け付け、中央当局に解決を陳情する組織)の史料群の補遺収集を行った他、ジチ家という大貴族家の文書館に範囲を限定して、地方で直接信者らと交わった領主側史料の収集を行った。あわせて、すでに公刊されている改革派教会の教会巡察記録の分析を進めた。
(2)に関しては、ハンガリー西部地区を中心に、戦乱後の復興期に出自や母語を異にする諸集団がコミュニティー形成をするなかで教会が果たした役割や、その際にみられた宗派間の協力とせめぎ合いについて研究会での報告等をおこなった。ただし、史料の分析を時間内に終えることに想定以上の時間を要したため、全体の成果発表は最終年度以降にずれ込む見通しとなってしまった。
全体の成果発表においては、復興期の社会の中で諸教会が地域のいわば「準公共財」として様々な領域で地域形成・発展に大きな役割を果たしたこと、ハプスブルク王権が宗教(教会)を媒介に統治を強化しようとした際にも、自ら奉ずるカトリックの信仰のみを強要するのでなく、各宗派の役割に配慮していたこと、などを具体的な諸問題に即して提示する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The religious factor in symbiosis in the Hungary-Slovakia border region2014

    • 著者名/発表者名
      IIO Tadaki
    • 雑誌名

      Slavic Eurasian Studies

      巻: 36 ページ: 33-47

  • [学会発表] 近世ハンガリー王国の教会ネットワークと地域社会

    • 著者名/発表者名
      飯尾唯紀
    • 学会等名
      農村史研究会
    • 発表場所
      学士会館
  • [図書] 映像の中の冷戦後世界 - ロシア・ドイツ・東欧研究とフィルム・アーカイブ2013

    • 著者名/発表者名
      高橋和・中村唯史・山崎彰 (編)
    • 総ページ数
      130-141
    • 出版者
      山形大学出版会

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公開日: 2015-05-28  

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