• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

イギリスにおける反アパルトヘイト市民運動と反人種主義規範の広がり

研究課題

研究課題/領域番号 23520888
研究機関北海道大学

研究代表者

浜井 祐三子  北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (90313171)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワードイギリス / 現代史 / 反人種差別主義 / 移民 / アパルトヘイト / 市民運動
研究概要

本研究課題は、1950年代~70年代にかけてのイギリスにおける反アパルトヘイト市民運動と、イギリス国内に第二次世界大戦後に非白人移民が流入したことを背景とする反人種差別市民運動との有機的な関わりを検証することを目的としている。本年度は反アパルトヘイト運動に関する基礎的な文献の精読を行う他、さらなる研究課題の精緻化を行った。これまでの資料調査(反アパルトヘイト運動の団体によるニューズレターや年次活動報告書の分析など)によって、現代イギリスの市民運動のあり方に大きな影響を及ぼしたこの二つの「反人種差別市民運動」には左派リベラル層が中心的役割を果たすなど、人的重なりなどの繋がりが指摘できる一方で、前者が後者との協調をうまく図れなかった部分が明らかになりつつある。これには、前者の運動を担った「白人」リベラルと後者の主な担い手であった移民コミュニティとの間の意識のずれ(さらに言えば、国内の「人種」問題をどこまで旧植民地における「人種」問題とのパラレルとして認識できるか、ということに対する意識の違い)という要因が指摘できるように思われる。今後、運動に関わった人たちの記録に少しでも多く当たると同時に、イギリス主流社会における国内の「人種」問題に関する意識の有り様についても、様々な資料を用いながら探っていく必要性を感じている。また実は、この意識の隔たり、協調の欠如は今日の歴史記述の中で比較的見えにくい部分であることが、現代イギリスにおける「移民史」と「主流史」の断絶という歴史記述の大きな問題の一部であるように感じており、その点についても今後考察を進めていきたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

基本的な文献の収集が順調に進んでいる他、研究環境も備品等の購入によって整えられ、年度末にはイギリスでの資料収集、研究者(ウェンディ・ウェブスター教授(セントラル・ランカシャー大)他)との意見交換もでき、研究の糸口がかなり見えてきている。

今後の研究の推進方策

二年目、三年目とさらに資料収集と分析を精力的に進める必要があると同時に、今後も国内外の研究者との意見交換、研究発表などを継続して行きたいと考えている。二年目はイギリスの地方部にあるアーカイブでの調査を予定している。

次年度の研究費の使用計画

-

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 'Imperial Burden' or 'Jews of Africa'?: An Analysis of Political and Media Discourse in the Ugandan Asian Crisis (1972)2011

    • 著者名/発表者名
      Yumiko HAMAI
    • 雑誌名

      Twentieth Century British History

      巻: 22(3) ページ: 415-436

    • DOI

      10.1093/tcbh/hwq059

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi