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2012 年度 実施状況報告書

イギリスにおける反アパルトヘイト市民運動と反人種主義規範の広がり

研究課題

研究課題/領域番号 23520888
研究機関北海道大学

研究代表者

浜井 祐三子  北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (90313171)

キーワードイギリス / 人種差別 / 移民 / 反差別運動
研究概要

今年度はさらなる資料収集と、研究課題をより明確化することを目標とした。イギリスにおける反アパルトヘイト運動への非白人コミュニティの関わりを明確にするためには、非白人コミュニティおよびマジョリティによる反人種差別運動の詳細とその連携の限界を明らかにする必要があると思われたため、イギリスにおける反人種主義運動、ブラック・ポリティクスなどの切り口からの二次文献の精読とともに、収集したパンフレット類、新聞記事などの分析を進めた。また、2012年6月に東京(青山学院大学)で開催されたイギリス帝国史研究会例会でSusan Pennybacker教授(ノースカロライナ大学チャペルヒル校)の、20世紀におけるトランスナショナルな「人種」に関わる政治文化をテーマとした講演のコメンテータを務めた際、これまでの本研究の分析の視点からコメントを行った。イギリスへの移民流入により生じたイギリス国内での「人種差別」への問題意識が、ほぼ同時期に政治的な盛り上がりを見せた反アパルトヘイト運動に与えた影響(もしくはその欠如)、反アパルトヘイト運動への非白人コミュニティの政治的動員がさほど顕著ではなかったこと(そしてそれがイギリスの反人種差別運動における「人種」的な分裂としばしば評価されること)を改めて検証し、イギリスにおける「人種」と政治をめぐる複雑な様相、具体的には白人中流階級リベラルと非白人コミュニティとの間に存在した「説明しがたい距離」(S. Hall)の存在とその原因を検証し直すことの意義について述べた。現在、反アパルトヘイト運動におけるイギリスへの亡命者の活動について研究を進めている同教授と意見交換できたことは、今後の研究に資するところが大きくあったように思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実績の概要に述べた通り、昨年度に続き、文献や資料の精読を進めつつ、他研究者との意見交換など、概ね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

今年度はこれまでに収集した資料を分析しつつ、さらに必要な資料の収集も合わせて行いたい。また、途中経過という形になるが、発表なども積極的に行うことで、他研究者からのコメントを受け、さらに研究の方向性を明確なものとしたい。まず、成果発表の第一回目として、6月に韓国プサンの新羅大学校で行われる予定の韓日イギリス史会議(Korean Japanese Conference of British History)での口頭発表を行う。その後、残された研究課題を整理した上で、9月ないしは来年2~3月に再度、イギリスへの調査に出かける。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Un-homely Welcome: The Resettlement of the Asians Expelled from Uganda(1972-74)2013

    • 著者名/発表者名
      Yumiko HAMAI
    • 雑誌名

      The East Asian Journal of British History

      巻: 3 ページ: 27-51

    • 査読あり
  • [図書] 言語帝国主義:英語支配と英語教育2013

    • 著者名/発表者名
      ロバート・フィリップソン(平田雅博/信澤淳/原聖/浜井祐三子/細川道久/石部尚登訳)
    • 総ページ数
      118-148(第5章担当)
    • 出版者
      三元社

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公開日: 2014-07-24  

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