今後の研究の推進方策 |
本研究の第一の課題はマレショーセ研究を介してフランス絶対王政の官僚制を再検討することなので、本年度も引き続き、マレショーセにおける売官制と親任官制の実態解明を中心に進めていく。研究は、昨年度と同様、(1)フランスの古文書館における史料収集、(2)史料の分析、(3)論文執筆の3つの作業からなる。 (1)、(2)に関しては、9月に3週間ほど渡仏して4箇所の古文書館で史料収集を行う。セーヌ=マリティーム県古文書館では1720年の改革前の成員の就任手続に関する史料(ADSM, 3 B 51)、国防省歴史課古文書館では1730~60年の成員名簿(SHD, Yb 859)、国立古文書館では成員の就任・採用手続に関する史料(AN, Z1C 330-331 etc.)、及び関連する国王諮問会議裁決(AN, série E)、ピュイ=ドゥ=ドーム県古文書館では昨年度、収集できなかった関連史料(ADPD, série C)を収集する。 (3)に関しては、最初に、昨年度3月に行った研究報告を基に、論文あるいは研究ノート「マレショーセから売官制を見る(仮題)」を仕上げる(~5月)。次に、マレショーセ隊員に導入された親任官システムを退職と異動の面から分析する論考を書く(~8月)。上述の研究成果と渡仏の際に新たに収集した史料に基づいて、マレショーセにおける売官制を総括する研究報告を本年度の終わりまでに行う予定である(12月~2月)。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に支給される予定額(直接経費)は1,200,000円である。その使用計画は以下の通りである。1 物品費 150,000円…法制史関係及びフランス近世史関係図書で78,000円(7,800円×10冊)、論文別刷で72,000円(300円×120冊×2回)使用予定。2 旅費 1000,000円…パリ、ルアン、クレルモン=フェランなどフランス各地の古文書館での調査のため800,000円、(800,000円×1回)、東京、京都、福岡で学会、研究会に出席するため200,000円の使用を予定している(東京:70,000円×1回、京都:50,000円×2回、福岡:15,000円×2回)。3 人件費・謝金 35,600円…資料の整理、パソコンへの入力で50,000円を使用する予定である。4 その他 14,400円…論文別刷の発送費として14,400円を予定している(60円×120部×2回)。
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