本研究の目的は、アンシアン・レジーム期の国王の裁判所・警察であったマレショーセを主たる研究対象として、フランス絶対王政の統治構造を官僚制、治安、裁判の側面から再検討することであった。上述の研究目的のうち、論文という形で成果をあげられたのは、とりわけ官僚制からの再検討である。当該期間に公表した4本の論文によって、1720年の一連の改革がマレショーセに親任官制を導入したことの意義を強調し、オート=ノルマンディー地方のマレショーセおける親任官制の実態を明らかにした。しかし、治安面、裁判面からの検討の成果を論文にまとめることはできなかった。今後の課題としたい。
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