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2013 年度 実績報告書

ルイ14世の戦争指導―フランス絶対王政論の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 23520906
研究機関駒澤大学

研究代表者

佐々木 真  駒澤大学, 文学部, 教授 (70265966)

キーワード西洋史 / 西洋近現代史 / 軍隊 / 軍事史 / 戦争 / 絶対王政 / 国制 / フランス
研究概要

平成25年度は、7月25日から8月26日にかけて、国立図書館 (ミッテラン館・リシュリュー館・アルスナル館)、国立古文書館および外務省文書館で史料調査を実施した。特に昨年まで進捗状況に遅れが認められていた国立図書館所蔵手稿史料については、この調査により、昨年度までの不足分を補完することができた。
三年間の調査を通じて得られた知見は、本研究開始当初の見通しの正しさを示していた。すなわち、戦争指導にかんしては、収集した史料より、ルイ14世は陸軍卿、財務総監、大貴族、軍司令官などの関係者達と緊密な連絡を取り、そこから生ずるさまざまな問題や当事者間の利害を調整する努力していたことが明らかとなった。また、実際の軍事面における軍隊の指揮官たちの活動を検討してみると、彼らは王権との協力や対立を経つつも、戦争の遂行において重要な役割を果たしたことが明らかとなった。
従来の研究では、軍隊の指揮官である旧貴族(帯剣貴族)の影響力の低下と、これにかわり、ルイ14世期には政権の中枢を占めた新興社会層(法服貴族)の役割を強調し、両者の対立を重視する傾向があった。しかし、本研究ではむしろ、軍事問題への対処において両者の協調の側面が認められたのである。その意味で、本研究はこれまでの国制史研究に重要な修正を迫るものであり、研究成果の学術的意義は大きいと考えられる。
これらの結果をうけ、9月22日に開催された「ヨーロッパ近世史研究会」第20回例会 (於:駒澤大学)において、「近世国家と普遍君主―ルイ14世のローマ」という報告を行い、専門家からの意見を得ることができた。今後は調査や意見交換で得られた知見をまとめて、成果を積極的に公表する。さらには、収集した史料の分析を続け、もうひとつの課題である事件としての「戦闘」や「戦争」が国制という「構造」にどのような影響を与えたのかという点を解明するする予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 近世国家と普遍君主―ルイ14世のローマ

    • 著者名/発表者名
      佐々木真
    • 学会等名
      ヨーロッパ近世史研究会
    • 発表場所
      駒澤大学

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公開日: 2015-05-28  

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