昨年度からの継続調査として、出土貿易陶磁器の報告書掲載資料集成、4回の収蔵庫調査、2回の情報交換勉強会を行った。また、7月に沖縄、9月、11月に大阪・堺に行き資料調査及び情報交換を行った。 また、本研究の最終年度であり、江戸を中心とした貿易陶磁器の出土状況の総括を行った。9月に青山学院大学で調査研究報告会を貿易陶磁器研究会と共催にて行った。これとは別に本研究の報告書と貿易陶磁器集成資料集の作成を行った。報告書の中では、研究協力者と共に4つの大きな研究テーマについて研究成果が報告された。 ・地域ごとの様相:「江戸城出土の貿易陶磁にみる「徳川将軍家の器」」、「尾張藩上屋敷跡遺跡と貿易陶磁器」、「東京都千代田区神田淡路町二丁目遺跡出土の貿易陶磁器」、「加賀藩邸・大聖寺藩邸・富山藩邸跡出土の貿易陶磁器について」、「汐留遺跡(伊達家)における出土貿易陶磁需要の変遷」、「下級武士における舶載陶磁器の需要状況」、「長崎奉行関連遺跡出土遺物と貿易陶磁」、「江戸の場末にみる貿易陶磁」、「江戸の寺院・墓地出土の貿易陶磁」 ・年代ごとの様相:「時代を越えた貿易陶磁器」、「江戸遺跡出土の明末・清初の貿易陶磁器」、「江戸遺跡出土の清朝陶磁について」 ・需要の背景:「茶会記からみた近世貿易陶磁」、「徳川将軍の御成と唐物受容」、「『加賀前田家表御納戸御道具目録帳』に記された貿易陶磁器」 ・生産と流通:「福建・広東・江西の磁器生産」、「駒込鰻縄手御先手組屋敷199号遺構の考察」、「島嶼出土の貿易陶磁」、「台灣考古出土十七至十九世紀貿易陶瓷的發現與研究」
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